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星とこどもの隠れ家

政と佐と弁で妖怪パロ(?)









慣れた道のりでも誰かに案内されながら歩くと新鮮であり、また新たな発見が出来て楽しいものである。
こちらこちらと手を引く子供ははしゃいでいるのか、振り向くこともなくグイグイと引っ張るばかりだ。



「まさむねどの、こちらでございます!」

「OK、わかったからそんなに走るな。転ぶぞ?」



自分の腰にもみたない小さな体の相手は、それでも懸命に歩みを続け止まることをしない。
林の中を暫く進むと、突然目の前に拡がった大きなお屋敷に目を見張った。
まるで昔話にでも出てきそうなほど大きなお屋敷は、まるで誰も住んでいないかのように静まり返っている。
お屋敷の敷地内に入ると、突然にピクピクと動く耳はどうやら自分には聞こえていない音が聞こえているようだ。



「さぁすけぇえええ!」



耳をつんざく様な大声が静かな空間に響き渡った。
その声に答えるように一つの影と気配が現れる。
ざざざっと音がしたかと思えば目の前に現れた相手をじっと見つめる。



「尻尾が九つ……妖狐か」

「ありゃ〜……また変なの拾ってきたの?」

「違うぞ佐助、まさむねどのだ!」

「だから……また拾ってきたんでしょ、猫」



政宗が見つめる佐助の背後には白くふさふさな尻尾。
佐助が指差す政宗の頭には黒い耳。
警戒しているのか耳は後ろに伏せられている。



「まーそう警戒しない、黒猫さん。あんた新入りでしょ?俺は佐助、一応九尾の狐なんだよね」



ヘラリと笑う姿にイラっとしながらも、つかみ所のない相手に握った拳をぶつけることが出来ないでいる。
その手を優しく包み安心させようとするのは己の物よりずっと小さな掌。



「まさむねどの、弁丸は猫又にござる!だから安心して下され、ここは皆の家、これからはまさむねどのの家でもあるのですぞ」

「あぁ、知ってるよ。……これからよろしくな」

「はい、よろしくお願いいたしまする!!」



その声につられてか屋敷から少しずつ影が現れる。
消えていた多くの気配も今では肌に感じている。
この手はあそこにいる何人もの猫を、今まで自分と同じようにここに導いていたのだろう。
そしてこんな小さなからだで守ってきたのだろう。
そう思うと、今度は自分が守ってやらねばと……強く思う。

この手は、もう綺麗ではないけれど。














星とこどもの隠れ家






(そういえばお前ら今いくつだ?)
(300までは数えてたんだけどねぇ……)
(忘れてしまったなぁ)
(あ、でも旦那の方が年上だよね)
(そうであったな!)
(…………なんだこの見た目詐欺)








END



にゃんにゃんにゃんの日にうpしようとしてしくじりました…orz
しかも平成22年だったから2が5つもあったという(泣)
取りあえずにゃんこな弁丸と政宗、狐な佐助でした。
猫又でえらい長生きな弁たんは未練があって妖怪になったり成仏できなかった動物をおっきなお屋敷で成仏できるまで保護しております。
んで最近この辺で死んで彷徨ってた政宗を拾ってきたよ、というお話。
政宗より長生きだけどちっさい幸村って可愛い(//△//)←
でもみんなを守るために妖力使うと一定時間大きく(幸村)になるとかね、どうでもいいお話。
なんで弁が猫又とか政宗がなんで彷徨ってたとか佐助との関係だとか色々やりたい気もしますが、読みたい方いないと思うので短編ということで悪しからず。
気が向いたら…(笑)

それでは長々と失礼いたしました。



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