題 | ナノ
コレで終わりにする為


※微エロで微スカ。モブ大活躍←

















小さい頃は普通の子供となんら変わりのない、寧ろ元気が取り柄の溌剌とした性格だった。
人懐っこく、誰からも愛され自由に育ってきた。
兄はそんな自分がうっとおしかったのか、それとも興味がなかったのか。
自分から兄に何度か歩み寄ろうとしたが、兄は自分を避けていた。
しかし、それがある日突然一変する事件が起こる。



その日もいつも遊んでいる友達と公園に出掛けていた。
まだ小学校に通っていた自分に両親は夕方には帰ってきなさいと言い付けていたのだが、つい夢中になりすぎて気がつけば日が暮れてしまっていた。
慌てて皆家路につく。
足早に向かう道程は途中まで皆一緒なのだが、家まで後少しというところで別れる。
また明日、そう言って皆と別れ薄暗くなった道を駆け出した。
しばらく歩いているうちに、後ろから足音が聞こえてきた。
まるで自分の歩調に合わせるようについて来るそれが恐ろしくて、目の前が家だというのに駆け出してしまい通り過ぎてしまった。
無我夢中で走っているが、どうやら音の主に追いつかれてしまったらしい。
片腕を引かれ、ご丁寧にも布で口を塞がれてしまった。
振り返ってみても残念ながら街灯も壊れてしまったらしい薄暗い道、相手の顔なんて見ることは出来ない。
腕を引かれたまま体は壁に押し付けられた。
気が付けば両腕が相手の片手により塞がれている。
恐怖で体はもうピクリとも動かなかった。



「……っ………うぅ」



耳元で聞こえる荒い息遣いにより、生暖かい空気が肌を撫で心地悪かった。
Tシャツの隙間から滑り込む手は、少し汗ばんだ体に吸い付くように何度も腹部を行き来する。
更にぬちゃりとしたものが頬を掠め、そのまま首筋をゆっくりと下がった。



「…ぅ……ふぇ」



恐怖で流れた涙もピチャリと舐められ、ただただ気持ち悪いという感覚に苛まれた。
気がつけば布を使い口元を押さえていた手は外されている。
そして突然感じる違和感に、体がビクリと大きく揺れた。



「や……なにしてっ!?」



いつの間にか下ろされたズボンと下着。
そこに隠されていたまだ幼い性器を、相手はあろうことかくにくにと弄りはじめた。
まだ精通も済んでいないルフィがそこから得るものは何もなく、相手の意味のわからない行為に震えるしか出来なかった。



「ひっ……く、うぇ……ひぐっ」



恐怖に溢れ出す涙は止まらず、ルフィ頬をゆっくりと濡らすばかり。
しかしそれは今の状況を解決するわけもなく、寧ろ悪化させていった。
ふと、下でいいように遊んでいた手が離れていく。
股をひんやりと風が撫で付けたかと思った次にヒタリと押し付けられたのは、やけに熱く硬いものだった。
ガクガクと震える膝のせいで何度もその感覚を味わい、とうとう恐怖でチロチロと黄色い液体が溢れ出した。



「とうとう漏らしちまったかぁ……」



初めて聞く男の声に体がビクリと跳ね上がった。
少し掠れた低い声は、そういいながらもどこか嬉しそうに喉の奥で笑っていた。
怖い恐い、ただそれだけが頭の中を埋め尽くし言い付けを守らなかったあの時の自分を後悔する。



「おじさんのこれもお漏らししちゃいそうだ」



下卑た笑いと擦りつけられる熱に、いっそ気絶してしまいたいと子供ながらに感じたのを覚えている。
その時はもう、誰かに助けを求めるなんて事は諦めていた。
ますます荒くなる息が上から降ってきていた。
近くなる息遣いから逃れる様に顔を背ける。
目は固く閉じた。
もう何も見たくなかった。



「……がっ!」



と、そこで男の息が途切れる。
発せられた奇妙な声に目を開けると、そこには先程とは違う小さな影があった。



「大丈夫か」



声は、聞き覚えのあるものだった。
抑揚のない言葉だったがそっと頬に触れた温もりが心配してくれていたんだと感じる。



「大丈夫か、ルフィ」



何の返答もしない自分に、不安になったのかまた言葉をかけてくる。
あぁ、不器用で優しいこの声は。



「うっ……ふぇえっ」

「泣くな、もう大丈夫だ」

「え…す、にい…ちゃ」



ガクガクと震える体を、兄は失禁してしまい汚い筈なのに構わず抱きしめてくれた。
伝わる熱は何よりも温かくて優しくて。
涙が止まらなかった。



「帰ろう」



耳元で囁く兄の声にこくりと頷く。汚れた衣服は兄が抱え、代わりに兄が着ていた服を被せられた。
家に帰ると心配していたのか慌てて迎えに来た両親がいたが、兄はそれを無視し自分の手を引き風呂場へ向かう。
問答無用で押し込むと、兄は何も言わず自分の体を洗ってくれた。



「エース」

「なんだ」

「ごめんなさい」

「なんで謝る」

「……ありがとう」

「よし」



沢山泡立てたボディソープで体を隅々まで洗うと、満足したのか湯舟に共に浸かった。
兄とそんな事をしたことがなかった自分は正直戸惑い、自然とそわそわし始める。



「どうした?」

「エース、おれのこときらいなのにどうしてこんなやさしくしてくれるんだ?」

「……嫌いなんかじゃねえよ」

「え……?」



予想外の言葉にぽかんと口を開けた自分に、兄は近付きそっと額にキスをしてくれた。
訳が分からず目を点にして兄を見つめていると、柔らかく笑う兄がそこにはいて。



「愛してるよ、ルフィ。本当は誰よりも」

「エース……」

「ごめんな、守ってやれなくて、ごめんな。でもこれからは守るから。絶対、兄ちゃんがお前を守るから」



だから、俺だけのものになってくれるか?
その言葉に本当ならば違和感を感じなければならなかっただろう。
しかし、残念ながらその時の自分にとって兄は絶対的なヒーローで。
ましてや嫌われていると思った兄か本当は自分を愛してくれていると知って。
幼い自分はただただ、うん、と答えるだけだった。



その日は初めて兄と同じ布団で眠った。
この温もりが離れるのを自分は怖がったのだ。
兄も黙って布団へ入れてくれた。
嬉しくて、心臓が張り裂けそうだった。
翌朝も手を繋ぎ一緒に過ごした。
朝リビングに向かった時、昨日の事について両親が何か聞いてくるかと思ったが家はしんと静まり返り二人の姿は見えなかった。
兄が煩い両親から自分を守ってくれたのだと勝手に思い、得にその事に関して自分は全く気にしなかった。
それからいつもの兄の向かいの席ではなく、隣に座り朝食を食べた。
用意された食事は、兄がこしらえたものだった。
朝食の時、何気なくテレビに視線を移した。
すると、テレビでは最近出ている変質者に対する護身用講座なるものをしていた。
物騒な世の中になりましたね、なんて画面の中の誰かが言っている。
それを見ながら、そう言えば昨日のあれはどうなったのだろうかと思った。
ふと横に座る兄を見上げる。



「愛してるよルフィ。大丈夫、お前は俺のものだから」



その言葉を聞いて、すぐに昨日の事などどうでも良くなった。
そしてこれからは全て兄に言われた通りにしようと思った。
それからどのくらいの時間経ったか、もうわからないが煩い両親の姿を見なくなった。
もう顔も思い出せないでいる。
たまに祖父が様子を見に来ていたようだが、自分はその顔をまともに一度たりとも見なかった。
その祖父も、もう随分と見ていない。
でも心配なんてなかった。
あの時の兄の言葉を、信じていたから。






















コレで終わりにする為
(でも、今日、俺は、エースを)










ルフィがエースに依存するきっかけ。
一番大事な時に来てくれた人は、何よりも誰よりも信頼に値する人になるの。
次はもっとエロ要素を入れたry



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