題 | ナノ






天気のいい日だったので、外でデートをしようと言い出したのは勿論自分だった。
たまには二人でショッピングもいいだろう、恋人に似合う服を買って。
それを自分が脱がす時が来れば最高だ。
そんな甘い夢を抱きながら、行きつけの洋服店に入ったのは数分前。
それから自分の好みから恋人に似合う服を選んであれやこれやと抱えさせ、更衣室に押し込んだのはつい先程。



「ルーフィー、着替え終わったかー?」

「まだー」



まぁそんな早く終わるだなんて思ってはいないんだけど。
それからただ待ってるのもなんだから、また新しい服を選んでやっているとふと目に入ったのはカップルだった。
彼女が彼氏のコーディネートをしているらしく、彼氏が掴んだ服は彼女の手により戻されていく。
なかなか決まらないのに業を煮やしたのか、彼氏は彼女の手を引いて店から出ようとした。
しかし彼女がそれを引き止め軽くキスを交わす。
それに彼氏は気を良くしたのか再び手を引き店内へ。
見ていて恥ずかしいが、なんだか羨ましかった。
適当に服を繕い再びカーテンの前へ。
今度は声をかけずカーテンを開く。



「うぉ!?エース……?」

「お前遅いから、俺が着せてやるよ」



二人が入るには少し狭い気もしたが、でもそんなの気にしない。
今はここから出たくないから。













初めて寂しさを感じた

(たった数分でもツライなんて。)





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