題 | ナノ
嘘つきは狩られる


エールで愛ある鬼畜。















それは勿論、愛故。







小さい頃から悪ガキで名前を馳せていたけれど、視点を変えて見れば案外面倒見のいいお兄ちゃんだ。
甘えっ子で危なっかしい弟のために、兄貴はいつも肝を冷やしながら弟を見守る。
勝手に前に突っ走る弟を追いかけるのが自分のいつものポジションだった。
小さな後ろ姿が少しずつ成長していく過程を兄として日々目に焼き付ける。
だから、知らなかった。
弟がこんなにも、自分の想像よりも成長しているなんて。



「エース、俺好きな奴いるんだ」



いつも頭にあったのは兄だから、という想いだった。
弟の全てを把握して、導いてやらなければならない存在だと自分に言い聞かせていた。
それなのに、憧れであったというのに、今自分は弟を弟ではなく別の対象として見ている。
兄ではなく、男として、弟を。



「エース、あのな。俺」



そして弟は、ルフィは。
その日、兄を男として見ることになった。










*******









「なんだ、まだイけるじゃねえか」



声すら出なくなっている弟の体にもう何度目かわからない精を注いだ。
温かいそこで絡み付いて離れない内壁に誘われ律動を繰り返す。
緩やかに扱くと、ルフィのそこはだいぶ薄くなっているがぴゅっと白濁を飛ばした。



「ぁ……は、ぁ…」

「なぁルフィ、俺が言ったことわかったか?」



耳元でねっとりと囁くと、身震いしながらもゆっくりコクリと頷く弟にエースはにんまりと笑みを深めた。
そして改めて床に転がる弟を見下ろす。
いつも見ていた健康的な肌とは対照的に日に焼けていない白い肌は色香を醸し出す。
大きな声で元気よく自分を呼ぶ唇からは、今は切なく甘い声を奏でるため耐え切れず貪った。
輝きを失わない瞳は今は憂いを帯びて目が離せない。



「はじめてが兄ちゃんだ。いい思い出になったろ?」



腹の上でぐちゃぐちゃになっている吐き出された欲を、塗りたくるように撫で付けた。
乾いてしまった部分もあるが、それがまるで弟の体に染み込んでいるようでまた新たな歓喜を生み出す。
喉の奥から湧き出る笑いが止められなかった。



「なぁルフィ、兄ちゃんのセックスはどうだった?気持ち良かっただろ、なあ……」

「ひ、ぅ……ンッ!」



心地良さに今だ引き抜けず中に収まった雄で軽く突いてやると、再び上がる声が耳に響く。
反らされた白い喉に噛み付いて跡を残した。
きっと、こんなものすぐ消えてしまうけれど。



「お前が好きな奴も、これくらい気持ち良くさせてやらないとダメだぞ?」



虚ろな目で見上げるルフィを、ただじっと見下ろした。
あぁ、この眼球まで愛しいと感じるのは自分だけだというのにこの愚かな弟は一体誰を手に入れたいと吐かすのだろうか。



「それとも、お前が気持ち良くされる側なのかな?」



頬に手を添えて、無意識に流れている涙を拭ってやった。
伝う涙の一部が目の下の古傷に少し溜まっているのを見て、そうだと思い付く。



「でもな、それだけはちょっと兄ちゃんも嫌だ。だから、お前を気持ち良くしてやれるのは俺だけだって印をやるよ」



泣いて喚いて叫んでも、ここだけは俺だけが犯していい領域だ。




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