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君の側にいたい 1


現パロでエーサボル。
少し暗いです。











はた、と目が覚めたのはまだ日が昇る前だった。
カーテンの隙間から見えるのはまだ薄暗い夜の景色。
それでも時計を見て、完全には覚めきっていない頭を起こすため洗面所に向かった。
隣に眠る弟の頭を見つけ、音を立てないように部屋を出る。
どうやら今日は、自分の方が早く目覚めた様だ。
決して朝に強いわけではないが、可愛い弟を誰にも邪魔されることなく独占できる点については早起きも悪くないと感じ柄にも無く早起きをする。
最近では、ついに早朝キャスターの名前も覚えてきた程だ。
ぼうっと鏡に映る自分の姿を見ると首周りに紅い鬱血が見える。
それが嬉しくて、指先でゆっくりと撫でると、今度こそ顔を洗い始めた。
蛇口から出る水は少し冷たい。
その刺激に少しずつはっきりしていく意識の中で、今日の朝食の献立を考える。
食べることが一番の幸せな弟は、中でも肉を好んで食す。
寝起きと言えどそれは変わらず、どんなに数分前まで眠りについていても席に着くと一気に覚醒し食事を始めるのだ。
まぁたまに、寝ながら食べていることもあるが。
何はともあれ、食欲旺盛な成長期な弟のために朝から腕を振るうのが日課である。
頭の中で決まった献立と、冷蔵庫の中にある食材を照らし合わせ、早速今日の朝食作りを開始した。
トントントンと包丁でリズムを刻み、グツグツと煮えたぎる鍋にも注意を配りながら画面に移る時刻を見る。



「っと、そろそろ起こさないとまずいな」



鍋の様子を見ると、どうやらもう十分なくらい煮詰まっている。
一口味見をしてみると味も上々。
満足な出来栄えに思わず頷くと、コンロの火を消しザッと手を洗ってから寝室へと向かった。



「ルフィ、ほら起きろ」



布団にずっぽり埋もれた頭をペシリと叩くが反応はない。
昨日は確か部活があった日だ。
それなのに昨日の自分ときたら年甲斐もなくがっついて、少し無理をさせてしまったかも知れない。
屈めた体の背中にピリリと痛みを感じたのは、恐らくその時引っ掛かれたからだろう。
今回ばかりは自分にも非がある。
今日はこのままそっと寝かせてやることにし、用意した食事を適当に取り家を出た。














*******















はた、と目が覚めたのは日がだいぶ昇った頃だった。
カーテンの隙間から差し込む光りは温かく、随分と眠っていたようだ。
視線を横にずらした所にある掛け時計を見て、一気に頭は覚醒しする。
慌てて顔を洗いに洗面所に向かった。
それでも隣に眠る弟の頭を見つけ、音を立てないように部屋を出る。
朝方帰ってきた時に一度声をかけたが、どうやら二度寝をしてしまったようだ。
本来ならもう学校にいなければならないのだが、今日は可愛い弟を誰にも邪魔されることなく独占できるという邪念に負けてしまった。
夜の仕事をするようになってから、とうとう覚えていた昼ドラが放送される時間。
洗面所でぼうっと鏡に映る自分の姿を見ると、首周りに紅い鬱血が見える。
それが嬉しくて、指先でゆっくりと撫でると、今度こそ顔を洗い始めた。
蛇口から出る水は生暖かい。
それでもサッパリしていく感覚の中で、今日の昼食の献立を考える。
食べることが一番の幸せな弟は、中でも肉を好んで食す。
寝起きと言えどそれは変わらず、どんなに数分前まで眠りについていても席に着くと一気に覚醒し食事を始めるのだ。
まぁたまに、寝ながら食べていることもあるが。
何はともあれ、食欲旺盛な成長期な弟のためにいついかなる時も腕を振るうのが日課である。
どんなに辛くても毎日朝食を作っておいてくれる弟のために、今回の昼くらいは感謝の意も込めて作ってやることにした。
頭の中で決まった献立と、冷蔵庫の中にある食材を照らし合わせ、早速本日の昼食作りを開始した。
実は料理下手な自分は包丁捌きも悪く、あまり手の込んだ物は作れない。
それどもうまいうまいと残すことなくたいらげる弟の姿に、張り切らないわけがないのだ。



「うし、そろそろ起こしてやるか」



出来上がったものを皿に乗せ、不格好ながらも完成した昼食。
満足な出来栄えとは言えないが頷くと、ザッと手を洗ってから寝室へと向かった。



「ルフィ、もう起きろー」



布団にずっぽり埋もれた頭をペシリと叩くが反応はない。
昨日は確か部活があった日だ。
それなのに昨日の自分ときたら仕事前に年甲斐もなくがっついて、少し無理をさせてしまったかも知れない。
屈めた体の背中にピリリと痛みを感じたのは、恐らくその時引っ掛かれたからだろう。
今回ばかりは自分にも非がある。
今日はもう少しこのまま寝かせてやることにし、用意した食事を適当に取るため部屋を出た。





















君の側に居たい




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