短 | ナノ
calendar 前


ロールでギャグチック。
スパコミ内のルフィ受けプチでの無配本でした。













まず朝起きて一番にする事。
顔を洗って歯を磨いて、それからそうそう、必ずお手洗いに行かなきゃな。
別にする気もないのによっこらしょと便座に座るのは、寝起きの体がまだ立っているのはツライと訴えて来るからだ。
ぼーっと何をするわけでもなく、正面を見つめたまま座ること数分。痔になるなら長時間の座り込みは禁止というベポの言葉がようやく頭を過ぎった頃、なんとなく目に入ったのは壁にかけられた日めくりカレンダー。



「もう5月か……」



誰に言うでもなく呟いたローはその厚みにまだ半分以上月日が残ってことを実感していた。
デカデカと書かれた『5』という数字に、そういえば花粉も無くなったなぁと一人ごちた。
と、そこで気付く。
このカレンダー、確か日めくりである。
大々的に書かれた数字の横には、気持ち程度の大きさでもう一つ『5』という数字が書かれていた。



「そうか、今日は5月5日か」



ゾロ目の日にカレンダーに目がいくとはなんだか今日はいいことが起こりそうだ。
気分も上々、よっこらせと腰を上げて個室を出て手を洗う。
いいことついでに麦わら屋に会えないだろうか、なんて考えながら歩いていると、ふと気が付いた事が一つ。



「今日麦わら屋の誕生日じゃん!?」



トラファルガー・ロー、本日最初の失態であった。










■□■□■








海に浮かぶサニー号は、今日も何やら騒がしい。
太陽も昇り、もうすぐお昼というこの時間の船上は得に戦場と化していた。まぁ、この船ではそれも当たり前の光景であるわけだが。



「うんめー!今日の料理もうめえぞサンジ!!」



「当たり前だ俺が作ってんだぞ!あ、こらまだ出来上がってねえのにデカイつまみ食いすんな!!」
キッチンでは既に攻防戦が始まっているようだ。サンジはなんとか昼食の完成を死守しようと躍起になっている。
しかしそれを上手い具合に避けつつテーブルに並ぶ料理に手を付けていくルフィに、サンジは大きなため息を吐いた。



「あんまつまみ食いばっかしてるとお前を食っちまうぞクソゴム」

「おうラブコック、真っ二つにしてやろうか」



呟いた言葉は本人には聞こえていないようだったが、なんとも物騒な台詞にどこから嗅ぎ付けたのかキッチンに侵入してきたのはゾロだ。
それによりサンジの機嫌は悪くなる。そりゃあ、もう面倒くさい方向へぐっと悪くなる。
そんな二人の間で始まるのは当たり前のように取っ組み合いのケンカであるわけで。



「おうおう役立たずなマリモ君よ、まだお昼寝しててかまわねえんだぜ?」

「うるせえな腹減ったんだよ。口動かしてねぇでさっさと手ぇ動かせ」



ギリギリと睨み合う二人の様子に、ルフィはただ笑むばかりで止める気はないらしい。
暫くはいつもの掛け合いが続いていた。が、突然息を合わせたように振り向いた二人はルフィを見つめこう口を開く。



「「 そういえばルフィ、何か欲しいものはないのか? 」」

「へ?欲しいもの?にk」

「肉以外でだぞ」

「特別に、だ」

「んー」



そう言われるとなかなか難しい。考え込むルフィに二人はじっと答えを待った。それからしばらくして答えを出したルフィは。



「もうちょっと考えさせてくれ!」



と、叫んで部屋を飛び出して行った。






→後へ


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -