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おひるね


ゾロル









ぴとりと寄り添う温もりは、眠っている相手にも伝わっているだろう。
それでも起きることなく昏々と眠りつづける相手にクスリと笑みが浮かぶ。
多分わかっている。
わかっていて何も行動に起こさないのは、これが自分だと気付いているからだ。
鍛えられた体は、まるで自分とは違う。
何度ためしても筋肉の付きにくい自分の体に、もう筋トレする気も起きない。
触ってもいいかな、いいよな、と勝手に答えを出してぴたぴたと掌で感触を味わう。
うーんなかなかの肉体美。



「さっきから黙ってれば何してんだお前」



あ、やべ起きた。
触れる手をそのままに寝たふり。



「今更だろ」



ですよね、バレバレですよね。
や、別に特に意味はなかったんだ。
カッコ良くて羨ましい体だなーと思っただけ。



「…………」



あれ、怒った?
褒めた筈なのになんだか眉間にシワが寄っている。
海賊狩りのゾロさん、その顔非常に悪者感滲み出てますよ。



「馬鹿な事言ってねえで寝ろ」



ぐっと引かれた体はすっぽり埋まって、なんだか抱っこされているみたいだ。
うーん眠くないけどしっくりくるからいいか。
背中に当たる腹筋はなかなか心地良い。
枕には素晴らしい胸筋があるから安眠である。



「寝ろ」



目を覆う掌は豆が出来て硬くてゴツゴツしてるけど、凄く優しくて暖かい。
あー、いいなぁ。
平和だな。



「ルフィ」



ん?
掌に覆われて前が全く見えないけど、首を上に反らせてみる。
同時に降ってきた柔らかい感触は唇に。
あ、ゾロの硬くないところ見っけ。



「……寝ろ」



すぐ離れてしまった柔らかさに、ちょっぴり淋しさを受ける。
でも指の隙間からほんの一瞬見えた顔に、なんだか今日は色々発見できたから良しとしよう。



「おやすみ、ゾロ」



強くて優しい貴方に包まれて、俺はたっぷり寝られそうです。

















おひるね

(いい夢が見られますように)





END



灰様へ、相互感謝文でございます。
大変遅くなってすみませんでした。
私の中でゾロは寝ててもカッコイイよ!というのが強くてこんな形のお話になりました。
可愛いもそうだけど、カッコイイも正義だと思います。

い、いかがでしょうか?
ご希望に添えているか不安ですので全力で書き直し待機しておりますのでっ
相互していただきまして本当にありがとうございました!
そしてこれからもよろしくお願い致します。





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