それから俺と蒼空は沢山の話をした
戦線についてやくだらない話まで沢山…
俺と同じように記憶がない、
そして大事そうに抱き締めていた本は
生きていた頃の日記だ、という事を
蒼空は寂しそうに話してくれた
「この日記、大事過ぎて
こっちの世界まで
持って来ちゃったみたい
でも怖くて見れなくて……
笑っちゃうよね」
蒼空は柔らかく微笑んだ
「いいんぢゃないのか、
時間をかけて自分を知っても」
ここにいる奴等は皆
強い奴ばかりなのかと思っていた
だが、それは違う
蒼空を見てそう、思った