Short Luv | ナノ


日向の告白

「よかったのか」

ちょっとした沈黙は
音無クンの声によって遮られた

ゆいちゃんが消えてしまっても
日向クンは泣いたりしない強い心を
持っている

「良かったさ」

それどころか
いつものちょっとした笑顔を見せて、

音無クンを、
私を、励ましてくれている気がした

「お前はこれからどうする」

「俺も最後まで付き合うさ
まだまだ心配な奴等が残ってるからな」

その時の日向クンの横顔が大人っぽくて
私は微笑んだ

「日向クン……」

ちょっとだけ声を震わせて、
最後のお別れを言おう

「おっ、どうしたんだ?蒼空」

「日向クンも音無クンも
皆を幸せにしてあげて、
それでそのうち2人も幸せを見つけて、
いつかこの世界から卒業して欲しい
私の事も忘れないって約束して、ね?」

そっと日向クンを
抱き締め、想いを伝える

少しの罪悪感の中
最後だから許して、と

ねぇ、私頑張ったよ
…――素直に彼の幸せを願えたから

「もちろん、俺達の友情は
そんな儚いもんぢゃぁないからな」

友情、か――……

それでもいい

「ありがとう」

今まで本当にありがとう

大好きだったよ、日向くん



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