そんな私に気付いたのか
音無クンがそっと手を掴み
日向クンの近くへと連れて行ってくれる
私が目を閉じていた間に
日向クンがゆいちゃんを抱き締めていて
凄くお似合いで、輝いて見える
「出逢えないよ
ゆい、家で寝たっきりだもん」
「俺、野球やってるからさ
ある日お前ん家の窓をパリーンッって
打った球で割っちまうんだ
それを取りに行くとさ、お前がいて
それが出逢い」
私と日向クンが初めて出逢ったのは
この世界へ来てすぐの事
私も日向クンも何がなんだかわからなくて
ゆりっぺと仲間になった
あの頃は楽しかったな、
「話をするとさ気が合ってさ、
いつしか毎日通うようになる
介護を始める、そういうのはどうだ」
「ねぇ、そん時はあたしをいつも一人でさ
頑張って介護してくれた
あたしのお母さんを楽にしてあげてね」
「まかせろ」
日向クンの誇らしげな感じ
私も何度も何度も励まされた
だから私は心から応援した
……―ゆいちゃんと日向クンが
どうか来世でも出逢えますように、と