「歩けなくても立てなくても
もし子供を産めなくても、それでも
俺はお前と結婚してやるよ
ずっとずっと傍にいてやるよ」
止めどない涙が視界の邪魔をする
日向クンの表情が見れない
「ここで出逢ったお前は
ゆいの偽物ぢゃない、ゆいだ
どこで出逢っていたとしても
俺はスキになっていたはずだ」
漫画のようなドラマのような言葉
それほどの想い
私は、心がついていけなくなって
フェンスに掴みかかりながら目を閉じた
「また60億分の1の確率で出逢えたら
そん時もまたお前が
動けない体だったとしても
お前と結婚してやるよ」
静かに聞こえる
ハッキリとしいて迷いがない声
この言葉が私に向けられたものなら
どんなに幸せだったか
だから、ゆいちゃん
……―来世では幸せになって
私にはただ、そう想う事で
気持ちを落ち着ける事しか出来なかった