Short Luv | ナノ


日向の告白

音無クンが動き出した
皆が旅立てるように、と

私はゆいちゃんが必死に
野球をしてるのを見ている日向クンを
見てる

日向クンはゆいちゃんが好きなんだ、と
初めて気が付いた

「ぢゃぁ先輩、結婚してくれますか?」

そのうちにも
音無クンとゆいちゃんの会話は進んでいて

日向クンが私の横を通って
フェンスの向こう側へ走ってゆく

その時の追い風が私を悲しくさせた

フェンスの向こうは
決して私が踏み入れられない世界
そう、感じる

「俺がしてやるよっ!
俺が結婚してやる、これが俺の本気だ」

今までになく真剣な日向クンを見ると
ゆいちゃんの大切さが分かる

私は涙が止まらなかった

私ぢゃなかった、
日向クンが好きなのは、私ぢゃなかった

「生きてた時のお前がどんなでも
俺が結婚してやるよ
もしお前がどんなハンデを抱えてでも」

皆で過ごした日々、

死んだ後の世界は
分からない事だらけで

それでも楽しくて幸せで

私の中、その中で
日向クンがひときわ輝いてた



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