今にも死んでしまいそうな、
消えてしまいそうな蒼空は
俺をそっと抱き寄せキスをした
ただ触れるだけのキス
それはもう、冷たくて
一生忘れられねぇって思った
「おぃ、蒼空―……
王子を一人にすんな」
優しい言葉をかけてやりてーのに
言葉が上手く出てこない
声がかすれて上手く話せない
「愛してるよ、ベル」
蒼空はそう呟くと
俺の腕の中にそっと倒れ込む
幸せそうな顔をして
もう動く事はなかった
ただ純粋に切なくて