「ウェルキーン!!」
今すぐにでも彼に逢いたくて
必死に駆け寄る私
だけど、その先に
見えるもの、聞こえるもの
「もう、ウェルキンったら」
それはウェルキンがアリシアと
楽しそうに話す光景
気が付けば駆ける足が
ゆっくりとスピードを落としていき、
ウェルキンにあげるはずの
クッキー包みが手から滑り落ちる
「やぁ、蒼空 どうしたんだい?
そんなところに佇んで」
「ウェルキンの馬鹿っ」
クッキー包みの落ちる音に気が付いて
ウェルキンは話し掛けてくれたけれど
私の瞳は涙が零れ落ちる寸前で
来た道を駆け出した