一年に一度の夏祭り
ちょっとだけ、おめかしなんてして
髪の毛をアップしてみたり
浴衣を着てみたり
みーんな、ラマールの為なんだ
「ごめーん、遅くなっちゃった」
少しばかり時間に遅れてくる蒼空は
小走りのせいで頬を桃色に染め
いつに増して可愛く写る
「おせーよ、ほらっ」
だから真っ直ぐ蒼空の顔を
見る事が出来なくて
ちょっぴり不器用に手を出した
「ありがとう、ラマール」
蒼空はその手を取って
天使のように笑う
俺は大事な手をギュッと握り
絶対幸せにしてやる、
そう心の中で誓った