小さな恋が始まって数ヶ月
「蒼空・バラッドさーん?
お届け物でーす」
訳あって一人ぐらしの私は
配達だけを楽しみに
モノクロの日々を色付ける
「こんにちは、ザジくん
いつもありがとう」
いつもの時間、いつもの玄関で
貴方が愛しすぎて待ちきれない
「ま、これが仕事だしな
あれ、今日猫いねぇーの?」
「うん、さっきまで
この辺にいたんだけど…
すぐ帰ってくると思う」
ちょっと目つきが悪かったり
ぶっきらぼうだけど
「そっか
最近物騒だし気を付けろよな」
本当は優しいザジくんが大好き
「ザジくん!!また、配達待ってるね
今度はクッキーでも焼いて…
絶対、絶対待ってるから」
「おぅ、約束だぜ?」
今日も彼の小さな背中を見送った
本当は両想いだったり(笑)