Short Luv | ナノ


不安で仕方がなかったんだ

全ての影が消え
僕はそのままの場所、
教室の窓から皆を眺める

それぞれに納得し
消えていく人がいる

…――皆、ありがとう

僕は、僕はただ、高松クンの事だけが心配で
心残りになって、消える事が出来ない

せっかく自分の人生は
満たされたというのに、

あれから胸ポケットに入れて
大事に大事に持ち歩いていた
高松クンのメガネを取り出す

「何してるんですか?」

ふと背後から聞こえた声は
紛れもなく高松クンの声で

「高松クン!」

僕は振り返ると同時に走り込んだ
真っすぐ真っすぐ、高松クンの元へ――…

「……っ?!どうしたんですか?大山クン」

「僕の事、怒ってない?
不安で仕方がなかったんだ
僕が、僕が助けられなくて……」

抱き付く腕は暖かく
飛び込んだ僕はただ
高松クンの胸の鼓動に包まれる

「怒ってなんかいませんよ
さぁ、早くここから卒業しましょう
先ほど、日向クンに逢いました
皆、卒業するんだと」

高松クンは顔が見えるように
僕と離れ、頭を撫でてくれる

「ありがとう、高松クン」

「えぇ、幸せでしたよ」

その刹那柔らかい笑顔が僕等を取り巻く

最後
僕達が認め合った、生きた証

僕達は確かに、ここに、存在していた

Angel Beats!最終回を迎えて初の小説
とりあえず、
皆が消える瞬間っていうのが
描かれていなかったので
一番最初に書くの大山、高松だなぁ、と
まだまだ書きます!(^^)
なんだろう、
物語の終わりはこんなにも悲しいなんて

2010/06/26


[back] * [next]


- 76 -


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -