Short Luv | ナノ


決意

それからゆりは
私たちに選択の自由を与えた
―消えるか
―カゲと戦う、ゆりに着いて行く

私は独り保健室のベッドで
月を、星を眺めた

いつもと変わらない

だけど止まる事を知らない涙は
枕を濡らしていて
改めて悲しみを実感する

「………蒼空」

少し寝てしまったのか
昔の夢を見ていた

気が付くと近くから大山クンの声がした

「…………」

私は無言で起き上がり
大山クンを見据える

少しの月明かりの中
下を向いてしまった大山クンの
表情を見るのは困難だった

「僕が悪いんだ、
助けてあげたかったのに、
勇気がなくて―……だから高松クンはっ!!」

「もういいんだよ
大山クンのせいぢゃないもん、」

今にも泣きそうに話を続ける大山クンを
抱き締めながらそっと言った

「だけどあの時
僕は高松クンを置き去りにして
飲み物を買いに行ったんだ
もしも僕が高松クンを一人に
しなかったらって考えると怖いんだよ」

「高松クンは別に大山クンを
恨むような人でもない、
優しい人だったよ

それに音無クンが言っていたように
この世界は自分の思い残した事や
叶えられなかった事を終える為の世界、
それが今、こんな状態なんて可笑しいわ
どこかに犯人がいるはずなの
ゆりはそれを探してる」

そう私が言い終えると
やっとの事で大山が顔を上げていた

「怖いけど、高松クンの為なんだ
僕、敵をとるよ」

もう泣いてはいなくて
決意したという表情に私は心打たれた

「私も、私も一緒に行く
だから隣をお願い………」

私達は保健室を後にした

もう二度と戻る事はないかもしれない、
そんな想いを抱いて

「蒼空……僕が絶対に守るからね」

私は大山クンに触れるだけのキスをした

EPISODE.11、一番悲しかったかもです
°・(ノД`)・°・
高松クンって陰薄い感じもしてたけど
寂しいよ、
もう戻って来ないのかな

2010/06/12


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