「あっぶねぇ」
気を抜いてると四方八方に敵が現れ
彼が守ってくれる
「相手は、力を失った女一人とクソガキだ
殺っちまえ」
私はもう立つことすら出来なくて
死を覚悟しても彼は耳元で囁いた
“死なせねぇから”
「クソガキ?
誰に言ってるか分かってんの
だって、俺、王子だし」
ナイフを見せ付ける彼は強過ぎて
刹那敵が死んでゆく
「あんた、なんで追われんての?
しかも力失ってねぇぢゃん?」
さすがに立ってお礼をしようとすれば
視界が揺れ、フラフラ〜と倒れ込む
「あり、がと……」
「コイツ、フラフラぢゃん
仕方ねぇ奴、うししし」
彼が支えてくれてその言葉を聞くと
私は意識を手放した