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「なんか、このメンツって初めてじゃねえか?」

「ねー。まあ私はマチに久々会えて嬉しいけど」

「俺も久々だろうが」

「フィンクスは別にいい」

「おっ、珍しいねー。フェイタンフェイタン言ってたくせに」

「えー、そうだっけ?」

「やめときなよ、シャル。なまえはもう仕事モード入ってるし」

「本当に切り替え早えよなぁ」

「ワタシはこちの方が静かでいいね」

「フェイタンに言われればすぐにいつも通りの私になれるけど」

「勘弁してほしいね」

「はいはいみなさーん、そろそろ目的地に到着だよ」

フィンクス、マチ、シャルナーク、フェイタン、そして私。着いたそこはまさに豪邸で、中ではどうやらパーティーが行われているみたいだった。

「で、あんたのターゲットは誰なのさ」

マチは今回の招集をかけたシャルナークにきく。シャルは仕事である富豪の持つ情報が必要らしく、今日はそのターゲットを捉える目的だ。

「それがさ、わかんないんだよね」

「「「「はぁ?」」」」

四人が揃って声を出す。ここまでぴったりとか仲良しかよ。

「えー何どういうこと」

「おいなまえ、あからさまに面倒そうな顔してんな」

「そういうフィンもね」

それがさぁ、と呆れたように話しはじめるシャルナーク。呆れたのはこっちだよ。

彼曰く、その“情報”とやらを持つ富豪はある程度見当はついているがはっきりしていないらしい。シャルの情報収集能力があって確定できないとか、もはやそんな情報を持つ人が存在しないんじゃないかと思う。

「で、当てはまる奴らがこのパーティーに出席してるってことだね」

「さすがマチ!話が早い。ターゲットが一人に絞られてるんだったら俺だってこんな大勢居るところに乗り込んだりしないよ」

まあそりゃあそうだろう。豪邸なだけ警備も一応しっかりしている。中には人も多くいるだろうし、かなりの富豪も出席しているようで能力者のボディーガードをやとっている人もいる可能性もある。

「つってもなぁ、俺らが乗り込んだとしても何人かは逃げられるんじゃねえか?こんなでけぇ屋敷だしよ」

「あー確かに。ターゲットが何人かいるからむやみやたらに殺せないしね。見つけるのも苦労するだろうし」

私たち5人とはいえ、中には(シャルの事前の情報収集によると)50人以上の出席者がいる。
しかも情報を聞き出さなきゃいけない分、事前にシャルに見せてもらった写真のターゲットは殺してはいけないのだ。

「まぁ、ある程度慎重に殺していいか駄目かも判断しなきゃいけない分取りこぼしはあるだろうね」

「ワタシは拷問できるならなんでもいいよ」

一人一人(フェイタンを除いて)文句のようなものを言っていると、シャルは、なんのためにこの人選にしたと思ってんの、と。

「フェイタンはターゲットの情報を聞き出すため、あたしとフィンクスとなまえは人がいるって言われて暇だったから。……あぁ、そういうことね」

勘のいいマチは何かを納得したようだ。え、私にはまったくわかりませんことよ。

「なまえ、あんたは今回参加必須だったらしいよ」

「私?」

「そう、なまえがいてくれなきゃ困るんだよ」

「……ああ、そういうことね」

「あれのあとのなまえ、期限悪くなるけどな。まっ、頑張れよ!」

フィンは他人事のようにガハハと笑いながら私の肩を叩いてくる。

……そういうことですか。

「何回言わせればあの能力のオーラ消費量半端ないってわかってくれんの……」

「自分がそういう能力にしたんだろ?っていうか、普通のやつならそんなにオーラ使えないから」

「そうだよ、あたしらだったらオーラ消費量半端ないとかじゃ済まないから。そんなに出せない」

「ほらほら褒められてっぞ〜」

「体力馬鹿、というかオーラ馬鹿ね」

こいつら好き勝手いいがって。人の気も知らずに。私の報酬五割増しくらいにしてもらうからな。

その代わり今回なまえは戦闘しなくていいから、なんてさわやかに言ってくるシャルだけど。
いやいや戦う気ないわ。戦えねえわ。

mokuji