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ゴンくんの作戦がうまくいき、滑り込みで塔から降りてこられた。

「ゴンくんたちありがとう、じゃあ私は一旦ここで離れるね」

本当はずっとゴンくんたちといる方がキルアくんの監視にはいいんだと思うけど、気まずさに耐えられず私はその場を離れる。

随分人数減ったなぁ。ここからさらに絞られてくるとなると、最終的には何人の合格者が出るのだろうか。

「順調に進んでいるみたいだねぇ」

「そっちこそ。さっさと死んじゃえばいいのにね」

いちいち私に話しかけてこなくていいのに、しつこく話しかけてくるピエロの再登場。
というかあなたいつの間に私の隣に来てたんですか。気持ち悪い。こいつの絶、気持ち悪い。

「クックック、酷いなぁ。“仲間”じゃないか」

「ほんっとうにうざい」

無視すればいいのに話しかけられたら返事をしちゃう優しい私を誰か止めて。


ゼビル島で行われる四時試験の内容は、受験者同士が互いのナンバープレートを奪い合う、というもの。

私たちを含めて、三次試験を合格した24名の受験者たちは箱に入ったクジを引くことに。
このクジで決定するのは四時試験でのターゲットとなる受験生を決めるためらしい。


「残念、ボクのターゲットはキミじゃなかったみたいだよ」

「奇遇だね、私もそれ思ってた」

ターゲットがヒソカだったら、プレートを取ろうとしたら間違って殺しちゃった、みたいなことができたかもしれないのに。

まあそんなことしてもわざとだって旅団の誰かしらにバレるだろうけど。多分マチあたりに『なまえの仕事柄生け捕りとかも求められるんだからわざとだろうね』とか言われそう。

「じゃあ私はさっさとターゲットのプレート取って休みたいから」

「一緒に行動したっていいんだよ?」

「誰があんたなんかと組むかよ、ヘンタイ」

ヒソカを後にして、私はターゲットである102番を探すことにした。





やっと見つけた102番。もちろんプレートはいただいた。

「こ、殺してくれ……」

地面に這いつくばりながら絞り出したそのセリフ。
無視をするほど私も鬼ではない。

「ごめんね、でもあんた探すの数日かかったからさ」

手間とらせたのが悪いんだよ、そう一言告げて、死ぬに死に切れない102番を置いて適当に森の中を進む。


多分102番はまだ死なない。少なくとも四時試験終了までは生き延びられる、ギリギリのダメージを与えてやった。
いっそ殺しちゃった方があいつのためだったかな、とも思うが、こいつを見つけるのに数日かかったのだ。

それにイライラしたから半殺しにしましたよ、ええ。マイダーリンの影響を受けて最近そういうことしちゃうから自分でも怖いと思う。

mokuji