掌の温度が変わるまで
2012/10/04

開いては閉まるその扉

開閉の主はいつだって優しくて、
だから僕は寂しかった

優しく頭を撫でるその手も、
頬に張り付いた笑みも、

回数の増えてゆく扉の開閉音も。

言いたい言葉はいつだって、
互いの喉に引っかかって出て行かない。

心の底、互いの気持ちが分かってるのに
言えずに嘘笑い

このままではいけない
このままでは、

このまま、だと、
どうなるって言うんだろう。

進むことも、戻ることも
終わることだってできない。

かわってゆくのは、扉の開閉音の回数と
嘘笑いが上手くなってゆくことくらい。

貴方が来たなら
僕はまた笑いましょう。

その掌の温度が変わるまで、

春柚




prev | next



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -