なみだのあとをたどって
2012/02/28

涙の跡をたどったら
君にたどりついた

しゃがみこんで
背を丸めて
肩を震わせる君

透明な壁の向こうにいるみたい
遠い遠い君

振り向いてほしくて名前を呼べば
声は掠れて音にもならず

どうしても振り向いてほしくて
一歩近づいて名前を呼んでも同じで

でもやっぱり振り向いてほしくて
たまらず君に駆け寄って
その背に触れれば

魔法が溶けたみたい
声が戻って
君が振り返って

嬉しくて
愛しくて

壊れないように優しく
離さないように強く
君を抱きしめた

(嗚呼、どうかもうひとりで泣いたりしないでください。どうか僕を頼ってください。どうか傍にいさせてください。愛しい人)

春柚




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