殺め給え
2012/09/30

目をつぶりなさい。嗚呼、いとしの我が君。消して目を開けてはなりませぬ。目を開けたなら、もう私は君のそばにはいられない。ああ、いとしの我が君。ああ、いとしの子。暗い暗い部屋の中。君はいつも何を思う。息の詰まる狭い部屋。此処が君のお城。ああ、目を開けてはいけないよ。いとしの我が子。何も、何も考えない方がいいだろう。そうだろう。そうだろう。ああ、私の何が間違った。君はあまりにも美しい。ああ、いとしの君。僕は止まらず今日も繰り返す。そうだろう。ああ、ああ、あああ。いとしの子。君はあまりにも、あまりにも、あの人に、似てしまった。君の美しさが罪なのだ。ああ、愚かな私めを、どうぞ罰してください。我が神よ。いとしの娘を汚した醜い欲望の塊を。ああ、どうか、どうか。その手で、殺めてください。

春柚





prev | next



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -