「……、は?」



只今の時刻は早朝6時24分。
先程、仕事に起きるため昨夜にセットした目覚ましが五月蝿く鳴り響き、未だ覚醒しない頭で目覚ましを止めた時だった。
今は11月中旬。普段ならばこの季節独特の肌寒さで一旦毛布に顔を埋め、幾度かもぞもぞと躯を動かして仕方無く起き上がる、と言う起床の仕方。

だが今朝は違った。
目覚ましを止めた後、背後に感じる毛布とは全く違う温もり。その上何やらフンワリと微かに甘い匂いが鼻を擽る。其れが変に心地好く、襲って来る睡魔に落ちようとしていた瞬間…―異変に気付いた。


普段は有り得ない筈の心地好さに瞼を上げて背後に感じる異変を突き止める為、身体を起き上がらせると共に思い切り布団を引っ張り上げる。


「…、っ……?!」


すると布団から姿を表せたのは裸体の少女だった。胴体を横にして身体を丸める様に寝転んで…いや、倒れてるも同然なのかもしれない。そんな唐突の光景に俺は思わず息を詰め、目を見開いて少女を凝視する。
一見普通の幼女に見える少女は黄色い異様な縫いぐるみを細い腕で抱えながら横たわっていて、身体の各部位が細過ぎていた。髪は滅多に見掛ける事の無い淡いピンクで腰辺り迄伸びている。




「……、…は?」


そして現在に至る。
殆ど無意識に呟いた口は閉じる事が出来無いらしく、俺は息を止めるのに精一杯で。


「…―いや待て、昨日は早く帰宅して飯食ってゆっくりして風呂入って寝た、よな……、」

徐々に覚醒する頭で昨夜を思い出しながら、目の前の有り得無い光景から目を逸らすために俺はゆっくりと自分の躯を布団から降ろす。それと同時に引き剥がした布団を持っている事に気付き、再度目の前の少女に目を移らせた。

―‥一人で考えても埒が明かねえ、ふとそんな事を考えれば取り敢えず布団を少女に被せ、俺は就寝前から枕元に放置されている携帯へと手を伸ばした。


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