short | ナノ


「おはよー、白石」
「おはようさん………」
朝の挨拶を交わした瞬間に、白石がすごく嫌そうな顔をした。
「え、なんやねん」
「………謙也って、香水しとるんか」
「ああ、侑士がオススメや言うから、香水かえてみたんやけど」
いつもは石鹸みたいな香りの香水をつけとるけど、こっちのが大人っぽいで、と侑士に言われたからあっさり鞍替えした。どうやら白石は気に入らないらしい。
「なんか………ウチのおかんと同じ匂いがするわ………きっつい感じの」
俺は侑士に騙されたと気付いた。