『あけおめ★ミ 今年もいい年になるとええな!』 そんな普通のあけおめメールが謙也から届いた。謙也がこんなんで済ませるはずがない。スクロールとか白文字とか、いろいろ怪しんでみたけど、やっぱり仕掛けはなんもない。逆にキモいな、なんて思いながら俺もメールを返すことにした。 『あけましておめでとさん。今年もよろしくな』 そこまで書いて、あまりに普通の内容すぎて気持ち悪くなった。ふだん嫌味言いまくりやからなあ、とちょっと苦笑。最後に『風邪引かへんようにな。あ、謙也には余計なお世話やったか』を付け加え、メールを送信した。 数分後、跡部からのド派手な年賀状に目を通していたら携帯が鳴った。着信、謙也。思わずにんまり笑ってしまった。 「もしもし」 『俺がわざわざメールしてやったのに、新年から喧嘩売るんやめろや!』 出てみたら、やっぱり電話の向こうの謙也はぷりぷり怒っていた。 こっちのがしっくり来る。俺はこれを待っとったのかもしれへんな。なんて。 |