真っ昼間。警備の薄いお城の裏門。私たちは政治の式典に紛れ混んでイノセンスを盗む。何故そんな事をするのかと言えば任務だからです。イノセンスだからと言っても聞かないお偉いさんに痺れをきらした教団は強行手段にでたのです。世もすえね。教団が疑われたらどうするか?そりゃ、最もらしくアクマですね、だ。

あ、アレンからの無線が入った。


『あなたは火をつけたらすぐ離れてください』
「おっけー」
『ラビと神田も準備は…大丈夫ですね。ではお願いします』


私はアレンの合図で花火に火をつけた。盛大に打ち上がる花火。ドーンと地響きのような音は窓ガラスをじんじんとさせていた。


「たーまやーああい」
『火傷しますよ。さっさと戻ってきてください』
「アレンてば心配してくれるの?やーさしい」『ッうさいですよ。見つかったらどうするんですかってことです』
「はーいはい。にしてもさあ、これエクソシストがすることなのかなあ」
『仕方ないです。アクマが現れた時のためです。うかつに大勢で忍び込んでも見つかるだけですし、なにせ政治の式典ですよ?ヴァチカンあろうものが盗みだなんて面子が潰れるどころじゃありません』
「なるほどね。さすがアレン!」


「ちゃんと考えてるんだね」といえば、「まだまだです」とどもった返事がきた。そして「あなたが機械音痴でなかったら僕がこんな危険な仕事代わってましたよ」とも。もう!アレンったら可愛いんだから!母性本能をくすぐられた私はアレンが待つワゴン車へ急いだ。



数分前。その頃、城内に忍び込んだラビと神田はイノセンスが保管されているという、部屋の隣の部屋にいた。


「10…20…ここの距離から1メートル、にい、さん、でここから1メートルのチョメ。…よし、できたさ!」


ラビは壁に赤いマジックでバッテン印をつけた。コムイによればここをダイナマイトで爆発すれば、被害を最小限に食い止めることができるらしい。そして破壊した先にイノセンスがあるのだという。


「資料もなしに…」
「だからブックマンである俺が起用されたんさ。お、アレンから無線が…」
「そろそろか」


『それじゃナマエ、ラビ、神田。お願いします』


了解さ〜というラビの声は花火の爆音と壁を破壊するダイナマイトによってかき消された。蓋を開けてみれば、イノセンスはあまりにもお粗末な扱いをされていた。警備はおろか防犯類は皆無である。


「楽勝さ〜」
「黙って仕事しろ」
「へいへい」


ラビは一応あたりを警戒し、神田はイノセンスを専用のカプセルに入れた。彼女とアレンのやりとりが無線を通して2人の頭に響いた。


「…ユウ、今の聞いたさ?アレンは無線が皆に聞こえてるのを忘れてるんさ?」
「…黙って仕事しろ」
「アレンはきっとあいつが好きなんさ」
「いいかげ…ん¨!」


神田はカプセルを落とし、それにつまづいて盛大な尻餅をついた。ラビは唖然とし、しかしハッと気づいてしまう。「え!もしかしてユウもあいつが気になるんさ?!」
「そそそそんなことねえよ!」


こんな同様したユウ初めてみた。顔を真っ赤にした神田に説得力があるはずもなく。ラビは密かに思った。こりゃ敵が多そうさ。


『神田、特にラビ。聞こえてますよね?彼女は僕のものです。指一本触れたらどうなるか…。ということなので、2人とも肝にめいじておいてくださいね。特にラビ!』

ブチンと切られた通信は有無を言わせないというアレンの意志の表れだろう。2人にはアレンの黒いオーラがみえた。



ミッション1、真のラスボスを知りやがれ!

(ただいま。ねえアレン私の無線なにも聞こえないんだけど…て、聞いてる?)





企画さまにて。

テーマ:ルパン三世テーマ曲

妄想広がりました!
ありがとうございます^^

たまる
20110212

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