少女Bの結論


「班長!班長!エクソシストとアクマくださいぃいい!!」
「……………はあ??」


真夜中の二時。クワッと血走った目を見開いて机に乗り出してきた彼女に、俺は盛大なハテナを飛ばしてやった。本日5回目の報告書のやり直し(しかも単純なミス)をやっと提出しにきたと思えば。いつものことながら、お前何やってんだ。

「またいらんこと考えて…」
「いらんことじゃないですよう!インテリアがなんで器物損害の報告書作んなきゃいけないんですか!てか早くください!じゃないと悪戯します!」
「悪戯宣言されても困るんだけどな…」


でも彼女は本気だ。以前も同じようなことがあった時、話しを聞かなかったせいで酷いめにあった。とりあえず話しを聞いてやるのが得策だ。それに、こういう時の彼女の発想力は興味をそそられることが多々あった。俺はまずどうしてそうなったかを話すよううながした。すると、彼女は封を切ったように話しだした。


「あのですね!ミスタークロウリーとティモシーくんのイノセンスの資料を見まして、ダークマターはイノセンス化できるんじゃないかと思ったんです!アレイスターはAKUMAの血を吸って自分の力にしました。ティモシーくんはイノセンスの効果でAKUMAのダークマターをイノセンス化させました!このことから、ダークマターはイノセンスになる説が成り立ちます!しかもティモシーくんは一時的ですがAKUMAを操ることも可能にしてるんです!」


彼女は一気にまくし立てた。そして「研究してみる価値はあると思うんです!」と、バンバン机を叩く彼女。あの、それ俺の机だからね。資料が舞うからやめなさいね。


「待て待て待て、話しが飛びすぎてる。つまりAKUUMAをイノセンスでイノセンス化させてこっちの戦闘力につけるってことでいいのか?」


彼女はぶんぶんと首を縦にふった。なるほど。もしかしたら…いや。…でも伯爵側が用意した駒で作るんだから…。
「なんで誰も気づかなかったんだろ。てか私が早く気づいていれば少しでもエクソシストの負担を減らせていたかもしれないのに…」

彼女はそう言うとしゃがみこんでしまった。それは彼女が悩むことではない。それを言うなら彼女より長く勤めている俺だって…いや、まてよ、


「やってそうな人がいなくもなくも…」
「中央?」
「いや」
「バグ支部長?」
「んなわけないだろ」
「クロス元帥とか?」
「…」
「「まさかねえ?」」


にっこりとお互いの顔をみるも、なくはないと思わせてしまうのがクロス元帥だった。でもそれなら科学班に教え…ないのも彼らしい。発見出来なかったのも元帥の陰謀か。や、考えすぎか。


「話しをもどすと、つまり、エクソシスト、っつうよりティモシーか。と実験用AKUMAがいる、こういうことだな?」
「はい!」
「お前はいちいち分かりにくいんだよ」
「要約したんです」
「しすぎだ」
「えへ」
「えへじゃない。それに本物のアクマをつかうわけだ。簡単に許可が降りるとは俺は思えない」
「…」
「でも少しでも奴らの負担軽くさせたいのは俺だって同じだ。その案出来るとこまで広げてみるか」
「本当ですか…?」
「ああ」


その俺も協力するよ。と、彼女の頭を撫でてやる。

「うう、班長が優しい…」

それはいつもお前が変なことばかりしてるからだろ。と内心思いつつ撫で続けていると、


ぎゅるぅぅぅぅぅ………。


「「…」」


「ま、まずは計画実現に向けてタンドリーチキンでも食べるとしますか!」



少女Bの結論




―――――
企画廻りに回るデスティニーさまにて。

妄想広がりました!
ありがとうございます^^

たまる
20110113

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