お姉さんと出水兄妹

(梅雨の出来事Aの後)


唐沢部長から頼まれてこれから来るゲストの手続きの為、受付にいたんだけど随分と賑やかだ。

声的には、公平くん??犬飼くんと米屋くんかな? ん?二宮君の声も??

手続きを終え、お客様が来たら営業部に内線をお願いします。とお願いをして、戻ろうとしたその時だ。

ひゃ?!思わず声を出してしまったが足元にスリスリと感触・・・。
そっと目線を移せば、猫だった。

屈んで頭に手をやれば、にゃーと擦り寄ってくる。

あれ??誰かに似てる??

「あ!!こらっ!!すみません!」

慌てた様子で来たのは、公平くんだ。

公平くんの猫??と聞くが違います、首を左右に振りややご機嫌ななめな感じ。

「うちの隊長が拾ったんですって、この子と一緒に。」
ほら!と見せてくれたのはもう1匹の猫を抱いた犬飼君。
大人しいのか、人見知りなのか、じっとしてる子だ。

二宮君がねー、と猫を抱き上げて見ればなんとなく答えが分かった気がした。

紅葉ちゃんに似てて、美人さんね??

ぽろっと呟いたんだけど、お兄ちゃんにはしっかり聞こえてて

「だぁーー!槍バカ。模擬戦付き合え!!犬飼先輩あとはよろしくお願いします。」

何かを思い出したように、米屋くんを引っ張っていなくなった。

あらら?言ったらダメだったかな??

残された私と犬飼君。彼は大まかな事情を説明してくれたんだけど、うん。
なんというか、苦笑してしまった。

結局、新しい飼い主が見つかるまで事務室で、面倒を見る事になったんだけど。
それを犬飼君から聞いたのか、二宮君が何回か顔を出しに来て、あの子に向けるような優しい顔したりして(写メ取ればよかった・・・。)

もちろん、紅葉ちゃんも様子を見に来てくれてたよ?本当に似てました。

飼い主が見つかって、さよならする時にちょっとした騒動あったりしたけど、それは言えません。

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