memo
 1006 先生なんで関西弁ちゃうん?から始まる何か

※普段は標準語慌てた時だけ
関西弁(素)という妄想の元
なおかつ妄想での先生の性格で
出来上がっておりますご注意下さい※



――――――――


授業が終わった後。
教室に残ったのは先生と僕だけやった。
そっと先生に近づいて
後ろから声をかけてみる。

「なぁ先生」
ってたったそれだけを言ったのに。
ビックリするくらい肩を揺らして
大袈裟に振り向く盧笙先生に
吹き出しそうになるのを堪えた。
あぁ先生顔赤なっとるわ。

「先生 ビックリしすぎとちゃいます?」
揶揄うように言ってみれば
冷静を装いながらも、少し恥ずかしそうに
眼鏡をあげる姿がいじらしい。
どんなに装っても顔 赤いのになぁ。

「少し、驚いただけです。
…それより恭くん、
何か用事ですか?
授業でも分からないことでも
ありましたか?」
そう話す先生はさっきとは違い
教師の顔になっとって、切り替えはや
と心でツッコミながら 首を横に振る。

「用事ちゃうねん。
先生と話したいなぁおもて」
「話?」
「そう。
ほんでずっと気になっててんけど、
先生て何で関西弁ちゃうの?」
聞くと先生の眉間にシワがよる。
ありゃ。なんか言いたくないワケでも
あったんかな。知らんうちに地雷
踏んでもうたか?なんて
内心考えていると、先生は溜息をついた。

「私がどんな言葉で喋ろうが
恭くんや皆には
関係ないことでしょう」
うーん。
なんや冷たい言い方するやん。
でもそんな突っぱねられたら
気になってしまうよな?

先生は俺から視線を外して
なんやもう話は終わったみたいな
雰囲気を出しよる。
それにちょーっとだけむ、っとして
ほんの出来心で、項に向かって
息を吹きかけた。

フゥーッ

「ヒッ!!!」

ビクリと体を揺らす先生。
なんや可愛い声あげるやん。
面白い、と思って今度は耳元に
息をかけてみると また、ビクリと
体が震えた。今度は堪えたんか
声は出てなかったけど。

僕の行動が気に入らんかったんか
先生は顔を真っ赤にして
勢い良く振り向く。

「ッなにすんねんこのアホッ!!
普通こんなんせぇへんやろ!」
お。
おお。
「先生 関西弁喋れたんや」
「やかましい!そんな話どうでもええわ!」
「よーないよーない
僕にとっては一大事やで?
なぁ先生 これから僕と話す時
関西弁で喋ってくれへん?」
「はぁ?訳がわからん」
心底嫌そうに歪められる顔に
内心笑いが止まらへんかった。

恥ずかしがってるとことか
すましてる顔はよーみんのに
こんな゛素゛みたいな顔みるの
初めてやねんもん。いやぁ。おもろいな

「僕な 先生に興味あんねん」
「…そうですか、残念ながら
私は恭くんに興味はないので」
「ははっ 生徒相手に興味ないとか
フツー言う?てか先生、なんや
いつもと雰囲気変わっとるし」
「気のせいじゃありませんか?
では私はこれで」

そそくさと
この場を去ろうとする先生の
腕を咄嗟に掴んで止める。

「ッ手を離しなさい、」
「嫌やっていうたら?」
「いい加減、怒りますよ」
「関西弁で?」
「〜ッ何でそんなに喋り方に
固執するんです、」
「そんなん、決まってるやん」



先生が先生してる顔を
崩してみたいんや。
僕にはあるのは、ただそれだけの感情。

まだだぁれも知らへん盧笙先生を
僕が一番乗りでみれたら。
それはすごい楽しいことやろ?

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