memo
 1004 無題

「三郎っ!おはよ!」
そう言って声をかけると
鬱陶しそうにしながらも
振り返ってくれる
あいつが好きだった。

「恭
よく毎朝飽きもせずに
話しかけてくるな」
「ずっと言ってるだろ?
三郎と仲良くなりてーんだって!」
「その名前呼びも
馴れ馴れしいって
何度言ったらわかるんだよ」
「これから仲良くなりゃ問題
ねーじゃん?」
ケラケラ笑っていうと
いつも通りため息を付いて
先を歩きだしてしまう。

連戦完敗

いくどとなく話しかけては
今みたいにかわされる。
あの綺麗なオッドアイに
俺は映らないのかな。
一度でいいから
まっすぐ見てほしいな
なんて思いながら
先をゆく黄色を追いかけた。

prev / next


- ナノ -