▼ 0806 どきどきするのは、君のせい
「ウェディングドレス
綺麗だよね」
「そうっすね
…やっぱり憧れたりって
するもんなんすか」
「そりゃぁね
でも相手がいないからなぁ」
「恭さん
今フリーなんですっけ」
「あはは すごいストレートに
聞くねー?!そうだよ
だから着れるかなぁ」
「…恭さんだったら
大丈夫、なんじゃないすかね」
「そう?そう思う?」
「思ってなきゃ言わねーっすよ」
「ふふ そっか!
じゃあ一郎くんみたいな
男の子と結婚できるように頑張るねっ!」
「はい
って今なんて、」
「結婚できるように頑張る?」
「いや その前っす」
「一郎くんみたいな?」
「そう。それ」
「だって一郎くん
すごくカッコイイし優しいでしょ
一緒にいて落ち着くし。
(けど、私じゃ釣り合わないし)」
「…みてーな奴、じゃないと
ダメなんすか」
「え?」
「いや。俺じゃ…ダメなのかと思って、」
「!!えっ それって…」
お互いに真っ赤に染まった頬が
やたら恥ずかしくて。
目も合わせられずに ただただ
時間が過ぎていった。
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