memo
 0730 助けてふれんず

「一郎…たすけでぐれ゛」
ずるずるに泣きながら
萬屋を営むダチに泣きついた
そう 俺は助けてほしくて行ったんだ。
なのに
「断る」
「お前ーーー?!
人の話もきかねーで
顔見ただけで断るとか!!」
「恭の依頼は
毎度ろくなもんじゃねぇからな
帰れ」
目でドアをさされた末
一郎はというとラノベを読み始めやがった
むむむこいつ
こいつ…!!!

「俺への信頼がなさすぎるだろ!!」
ダチじゃなかったのかよ!!
「この間俺を騙して
合コンに連れてったのは
どこのどいつだ」
「俺!!!」
「帰れ」
「やーーだーーー!!!
一郎〜!!今回だけは!!
マジなんだよ!!!」
頼むっと両手を合わせて
頭を下げる。必死すぎる気持ちが
通じたのか 一郎はラノベを閉じて
こちらを向いた。
表情は依然厳しいが 進歩だよな
よし

「で?今回の依頼はなんだ?
また騙しやがったら口きかねぇからな」
「今回はそういうのじゃねーやい畜生
………単刀直入にいう
おっぱいができた」

「………太ったってオチか」
「なわけねーだろ!!ちげーわ!
んなもん相談するわけねぇだろ女子か!」
いや女子だったらおっぱいできたら
喜ぶよな…って違う違う!

「違法マイクひっかけ
られちまったんだよぉ
たすけて」
「それが本当だったらな」

むむむまだ疑ってやがんのかこいつ

「んな恥ずかしい嘘つかねーわ
信じてくれよ一郎」
「だから 本当に胸があったらな
とりあえず証拠を見せろ」
「は?!やだ」
なんで男相手におっぱい晒さにゃならんのだ
いや女相手にも勘弁なんだが。

「っしラノベ読むか」
「一郎〜!!!わかった、わかったから!」
ぺらっとシャツをめくりあげて見せる
胸元ギリギリまでで止めたものの
なんとなくふっくらしてるのは
分かるだろう。

「みえねぇんだけど」
「いや!!わかるだろ?!
こう、ふっくらと!なってるのが!!」
こいつさてはドSか
なんて思いながらヤケクソで
シャツを脱ぎ去った。

ぷるんと顕になる 俺のおっぱい。
嬉しいのか嬉しくないのか
手に余るほどのそれは
たわわで…自分のじゃなけりゃ
万々歳だった。

「うわ マジかよ…本物?」
「っておい手伸ばすな!触るな!」
ふにふに
「やわらけぇな 本物か」
「だからそうだっていって―――」

「兄ちゃん ただいまー……
あー………?ッごめんっ兄ちゃん!
邪魔しました!」
「待て二郎!!これは誤解で!」
「そうだぞ二郎くん!
これは事故で…!!」
「いーって!!
二人でんな誤魔化さなくても!
俺…兄ちゃんが誰を好きでも
男の人と付き合ってても
応援するから…!!」

バタン!嵐のようにやってきて
嵐のように去っていったカレに
立ち尽くす俺と一郎

「…今のは一郎が悪い」
「はぁ?元はといえばお前が」
「触ってなんて頼んでないだろ!」
「触りたくて触ったんじゃねぇよ
元を正せばテメェが二度も三度も
騙しやがるから」

「「お前が悪い!!!!」」

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