女主SS

チルドレンの素朴な疑問


(すこし下品なので注意
親戚の子♀を預かる独歩くん)




今日は親戚の娘さんを

訳あって一時的に預かっている。

なんでも、そのまた親戚が結婚するとかで

忙しいからって…

いや俺も忙しいんだけど…!断れなかった…。

頼むから数少ない休日くらい

寝かせてくれよ、なんでなんだよ

俺が悪いのか、断れない、俺が…

そう嘆きつつも


「ねえねえどぽくん」


そう言ってとてとて近寄ってくる

親戚の娘…もとい結ちゃんに

きらきらした目で見られると、

何も考えられなくなる。


この子が悪い訳じゃない。

俺だって…元はといえば

親戚が預かってくれと言い出すから、

ってそんなこと考えてる場合じゃなかった。

話しかけられてるんだった…


「どうしたの、結ちゃん」


まだまだ小さい目線に合わせるように、

少し屈んで顔を覗き込む。


「あのね!」

「うん」



「おちんちんって どこからくるの?!」


「ブフッ お、おち…!?」


な、な、な

何を言い出すんだこの子は!?
唐突に!!何を!!

俺の聞き間違い…だよな…?

年端もいかないこんなちびっこが

純粋な目で おちんちんなんてそんな


「ははは…
おじさんよく聞こえなかったよ ごめんね。

もう1回聞いてもいいかな」


そう、きっと空耳 俺が疲れてるんだ

そうに違いない


「もーーー!だからね、おちんち」

「空耳じゃなかった!!!!!」


「えーと…どうして 気になるのかな…?」

当たり障りない言葉が浮かばずに

少しぎこちなくかえす。

目の前のチルドレンは

ニコニコと無邪気にこちらを見ている

クッ…無邪気さと質問のギャップに
頭がいたくなりそうだ…


「あのね、あのね、こないだ ほいくえんで
おとまりほいくがあったの!
そのときにね、おなじくらすの
おとこのこが、結ちゃんには
どうしておちんちんがないのって
結にもね、わからなくって」


「(同じクラスの男子ーーーーー!!!!
なんてことを・・・!)」

「それでね、結、
どっぽくんのおうちにくるまえに
ひふみんにあって、」

「ん?一二三に…?」

そういえば 結ちゃんと一二三は
そこそこに仲良かった気がするな…

まだレディという年には遠いからか
一二三も結ちゃんを可愛がってた。

でも何故この流れで一二三の話が…?


「ひふみんにね、きいたの」

「きいた、?」

…なんだか嫌な予感がする


「うんっ どうして結には
おちんちんないのって!!」

「ブフッ」

予感的中


「そしたらひふみんがねっ、

おっきくなったらわかるよって!」


「(一二三〜!?!?!?

何てことを言ってるんだ
というかおっきくなったらって
何なんだ下ネタか!?)」

「だからね、結おもったんだぁ。
おきくなったら、


さんたさんがプレゼント
してくれるんじゃないかって!!」


ワーーーーーー!!!!

キラキラした目でこっちを見るな!!

いや見ないでくれ…!!

おじさんは…おじさんは
何も答えてあげられない…!!


「え、と、どうしてサンタサンだって?」


クソッ 具体的な話避けようとしたら
これが限界だ

「ん〜?へへへ だってもうすぐ、
くりすますでしょ?だから!!」


ウ、ウワア…一二三が言った
余計な事と純粋な発想がコラボして
ややこしい事になってる気がする…。


「あ、あのね、結ちゃん、」


どうやって一連の流れを忘れさせるか
(うっかり親に聞かせたら
俺のせいになって
俺が怒鳴られることになる)、

どうやって誤解を解くか
白目をむきそうになりながらも、
結ちゃんとの少し距離をつめる。


「うん?」

「さ、サンタさんはね
欲しいものを他の人に言っちゃうと、
くれなくなっちゃうんだ…だから、」

「どぽくんにいっちゃったから、
結には おちんちん
とどかない…?」


ああああ どうしてちょっと
悲しそうな顔するんだ
って俺のせいなのか

いやいやいや元をただせば
一二三のせいだろう…
後クラスメイト…!!

なんて種を巻いてくれたんだ
一二三には後で説教だ


…ああああもうどうにでもなれ!

やけくそで相槌を打ち、口を開く。


「…うん。でも、他の人に
ナイショにし続けてたら
くれるかもしれない…」

ワケないだろ!って全世界の
ツッコミが聞こえる

だけど俺はめげない……
このままでは親戚から説教
そして確定する俺の土下座。

それだけはなんとしても回避したい。


「だから、家族の人にも ナイショ、ね」

しー、と人差し指を自分の口元にあてる。
こんな子供だましが
今時のチルドレンに通用するのか

ヒヤッとしながら結ちゃんの目を
じっとみつめる。

頼む 首を縦にふってくれ…


「…うんっ」

どこか納得したような表情で、
こくりとうなずく結ちゃんに
全身の力が抜け去ったきがした。

脱力。

自分で思ってもない程緊張していたらしい。


「結、どっぽくんとおやくそくするー!!」


ぴょんぴょんはねて
小指を差し出してくる結ちゃん。

ああ 子供は純粋で 素直でいいな…

そんな おやじみたいなことを思いながら
そっと自分の小指を絡ませるのであった。



ああ 

どうかこのまま、

このことを忘れてくれますように。


そして結ちゃんが帰ったあと、

一二三にさんざん説教をした。


一二三曰く、

「めんごめんご!俺っちも、
なんて言っていいか
わかんなくてさ〜!!」

らしい。まったく…

二度とややこしい事は言わないよう
釘はさしておいたから


もう大丈夫だろうと信じたい。

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