MHA
 プロローグ

私は「歌」に力を持って生まれた。
私が歌を歌えば 決まって周囲に何かが起こる。
気付いたのは2歳の頃。人より早く発現した能力に 両親は大喜びで、私をヒーローにするのではなく アイドルにすることを決めたらしい。
゛舞台上で輝いて笑顔と歌を届けることで 人を元気にする。戦うことはないけれど、それも立派なヒーローだ゛とそう言っていた。
その話を聞かされた時の私は 幼くてよく分からなかったけれど、自分が楽しく歌えば周囲も明るい雰囲気になって 傷付いた人たちの傷や心が治っていくのを理解できるようになった時、アイドルこそが私にとっての 私らしいヒーロー活動なのだと そう確信したんだ。
眩しいスポットライトを浴びて 一度で沢山の人を魅了し幸せにし、治癒ができる。舞台こそが私の人生。

「皆っ!今日は来てくれてありがとう!!
結花のライブ たっくさん楽しんでいって帰ってね!」

私のライブに行くと 必ず元気が出るという噂はまたたく間に広がって、プロヒーローでもない ただのアイドルである以上 個性をひた隠しにしてきたけれど すぐに゛何らかの個性なのではないか゛と囁かれ始める。
そしてその先で悲劇が起こってしまった。そして数ヶ月後、雄英高校から声がかかった。それがすべての始まり。

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