MHA
 私と幼馴染

私の幼馴染は焼け死んだらしい。
焼け死んだってことになってるから、多分そう。
だけど変なんだよね。ずっとあいつの炎の匂いがする。
私の鼻がおかしいのかもしれない。それでも街を歩いてると、たまに 懐かしい炎の香りがするんだ。
幼馴染曰く『お前(私)は無駄に嗅覚が働く』から、幼馴染のお家 轟家の、例えばお父さん。エンデヴァーの炎の匂いと その息子・私の幼馴染である轟燈矢の炎の匂いが微かに違っている気がしてるんだ。
昔、それを言ったら 炎の匂いなんてあるわけねぇだろって呆れられたけど。
それでも私、燈矢くんの居場所間違えたことなかったでしょ?匂いがわかるからだよ って言ったら なんとも言えない顔をして私の横を通り過ぎていった幼馴染。
…皆、彼の家族でさえも彼は死んだっていう。だけど私は きっと生きてるって思ってる。
ただ居てほしい そんな願望かもしれない。
そう思っていても 彼の存在を探す事をやめられなくて、たまに似た香りを察知しては そのへんを探し回った。
何故かいつも路地裏だとか ヴィランのいそうな暗いところばかりだったけれど、いつか 彼に出会えるなら 全然怖くなんてなかった。

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