&Thank youH完

プレゼント達をぎゅっと抱きしめて
しみじみしていると、あるアイデアが
僕の頭に思いつく。

「あっ!ねぇねぇ!!」

咄嗟に声をあげると
皆の視線が僕に集まった。

「どーしたんだよ
お腹でも壊したか?」
「そんな訳ないでしょっ!!
じろくん僕の事バカにしすぎ…!」
お腹壊したって皆に言わないよっ

ってそうじゃないや

「僕、皆で写真撮りたいっ!!」

だってせっかく一郎さんから
いいフォトアルバムを貰ったんだ
早速写真を撮らなくっちゃ!!

プレゼント達を机の隅において
ポケットからいそいそとスマホを取り出す。
「写真か いいな」
最初に同意してくれたのは一郎さんで
お互いに目を合わせて笑い合う。
じろくんとさぶくんもOKの様で
スマホを持つ僕の方にずずっと近寄ってくる。

(えっと
まずは内カメに変えて、と…)

ぐぐ、っと手を伸ばして
四人が映るかどうかの確認をする。
「うーん…」
距離があって なおかつテーブルも
挟むせいか うまく入りきらないな…

どうしよう?と頭を悩ませていると
横からスマホを掻っ攫われる。さぶくんだ。
「僕が撮るよ。
恭の手の長さじゃ足りないだろうからな」
フッと鼻にかけて笑うさぶくんは――
うん。意地悪そのものだ…!

「手短くないもんっ!!」
いや、確かにちょっと足りてなかった
のかもしれないけど!!けどっ!!
「これから伸びるんだもんっ!」
「はっ やっぱり短いんじゃないか」
「ぐぐぐ」
「はいはい 喧嘩してねーで
撮るぞ」
「はいっ 任せてくださいいち兄!」

僕の代わりにスマホを持った
さぶくんの方にスス、と寄って
ピースをする。

「全員入ってっか?」
「俺はばっちりだよ兄ちゃん」
「お前が入って無くてもいいけどな」
「んだとコラ!!」
「ねぇ写真撮る前に喧嘩とかやめようよ」
「ああもう撮るからな!
動くなよ二郎!!」
「俺名指しかよ!!」

わいわいぎゃーぎゃー言いながら
3、2、1のカウントでシャッターがきられる。

「どうだった?僕目瞑ってない?」
「げ 俺半目になってねぇ?」
「ははっマジだな!取り直すか」
「じゃあもう1回
次は目開けとけよ愚兄」
「また俺名指しかよ!って今はしゃーねーか」

「3、2、1、」

カシャッ


再び撮られた写真は
全員笑顔で 楽しそうな1枚となりました。
因みに、最初撮ったじろくんの半目写真は
消すことはなく しっかり保存してあります。

「消せよ」
「うん」

なんてやり取りもしたけれど
想い出だって おもってるから
消さないでおくね。







前略、今日も我が家は平和です。


「#name1#
どのへんのケーキ食べてぇか
決めとけよ」
「はーい!!」

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