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▼ 16.災難な日

結局話が終わって以降やることねーから
まぁ、風が吹いてて心地良いし?
いい感じに影もあるしで、ベンチで横になって
寝るかなんて話して寝たはいい。
気持ちよかったし満足。だ、が。
「なぁなんで起こしてくんねーんだよ」
「うるせぇ 先に起きた方が起こすって
約束だっただろ…でも
俺もお前も起きれなかった」
「「はぁ…」」

溜息がハモって、
どちらともなく顔を見合わせた。
「なぁ よっちゃん怒ってると思う?」
「あぁ。説教だけで終わればいいけどな。
……2限丸々サボっちまったから、」
「…なんか仕置き、されそーだよなぁ。
またお前らか〜って」


──────

───


結論言うと めっちゃ怒られた。
「お前ら反省という言葉を知らんのか!!」
「「すみません」」
教室へ帰るなり即行よっちゃんにみつかり
即教員室行きとなった俺達は並び立って
顔を真っ赤にして怒るよっちゃんの
怒鳴り声を聞きながら、
早く飯食いてーなとか
そんな事を考えてた。
(ま 山田が何考えてるかは
しんねーけど)
チラッと隣を盗み見ると、
無表情とも取れなくない顔で
テキトーに相槌を打ってるのがみえる。

(すげーな、よっちゃんの説教
俺相槌打つのもしんどいわ)
ふう、と溜息をつきたくなるのを堪えて
早くこの説教が終わることを祈った。
説教が終わったのはなんと
次の授業を知らせる鐘が鳴った頃。

「なにやっとるんだ!はやく授業にいかんか!」
「ッス」
理不尽な怒られ方にムッとしつつも
めんどくさいのでくるりと背を向けて
俺達は急ぐふりをして 小走り気味に
教員室を立ち去る。

「はぁ だるい このまま次もサボりてぇ」
「また怒られんぞ」
「どのみち今教室に帰ったって
次の先生に怒られるって。
つーかよっちゃん、今日は一段と理不尽な!」
「俺らがだらけてっからだろ?」
「まーな!」

くだらねーいつも通りのやり取りをしながら
教室へ堂々と遅刻して入ってくと、
先生から事情聴取をされるハメになったものの
話のわかる先生で、呼び出されていたなら
しょうがないと 今回はお咎め無しとなった。

その時の俺と山田はまさに
以心伝心していたと思う。
何を言うでもなくお互い視線を合わせて
胸を撫で下ろしてたからな。

((もう説教はゴメンだ))

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