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▼ 幼馴染と仲間

「おっじゃましま―す!」
「麻呂もおじゃまするでおじゃる」
「はーいどうぞ あ、これスリッパです」

わいわいがやがやする家に
俺は全く頭がついていかねえ。

待ってくれ なんでこいつらが
俺らの家にいるんだ―――

「え?だって帝統が友達
ひとりも連れてこないから
僕が呼んだんだよ」

そう悪びれる様子もなく言い放つ恭に
頭がクラッとする。いや。俺が言いたいのは
そうじゃなくて

「なんで恭がこいつらと
知り合いなんだよ!?」
「ええ?だって帝統が自分で
乱数くんと夢野さんのこと教えて
くれたんじゃないか」

キョトンとする幼馴染に
ああ と思考を巡らせる
そういえば数日前
んなこともあった気がする



――――――――――――


一緒に暮らし始めてはやくも一週間
居間でゆっくりしてた所に
恭がとんでもない事を言いだした。
「ねえ帝統」
「なんだよ?」
「帝統って 友達いるの?」

な、な、

「お前は俺をなんだと思ってんだよ!!?」
「ギャンブラー?家無き幼馴染?」
「ギャンブラーはあってっけど
つうかもう家あんだろ!此処って家が!」
「あははそうだった」
ったく、コイツの天然には
付き合ってらんねーぜ
つってもう長い付き合いなんだけどよ

「で?なんて人なの?」
「あ?何が」
そう返すと だーかーらーと
続ける恭。
「帝統のお友達だよ なんて人なの」
なんでんな事知りたいんだコイツ…
ぜんっぜんわかんねえ
「つか御袋かよ」
「??僕は僕だよ」
ああ ああ話が進まねえ…!!

「ダチつっても何人かいるけどよ
最近一番つるんでんのは
飴村乱数と夢野幻太郎ってやつらだな」
ほぼ毎日とはいかねえが
定期的にラップバトルはやってっし
単純に会うことが多いしな。

「ふうん なるほど」
…何がなるほどなんだ?
「教えてくれてありがとう、帝統」
「お、おう?」

結局最後まで何一つわかんねえが
恭の機嫌が良さそうだから
それでいいか。


―――――――――


「ね?思い出した?」
「あ、ああ まあな。
俺が名前言ったってとこまでは分かる
でもどうして連絡先知ってたんだ?」

そこまでは教えちゃいねーぞ

「あっ それはねー帝統!
僕たちが街を歩いてたら〜
恭さんから話かけてくれたんだよっ」
「ええそうです
『もし、あなた方は帝統という
しがないギャンブラーをご存知では』と」
「ぜってーそんな言い方してないだろ!」

すかさず突っ込むと恭は笑いながら
俺に言う
「あはは でも大体そんな感じだったよ」

そうなのかよ!!

「うんうんっ!ていうか帝統
お家決まってよかったよね〜!」
「これでお風呂にも入れますしね」
「オイコラまるで入ってなかった
みてーな言い方すんじゃねえ!」
「え?入ってたの?」
「恭〜!!なんでお前まで
俺をいじる側なんだっ?!!」
お前は俺側じゃね〜のかよ〜!?!?
嘘だろと言う目でみると
相変わらずニコニコ笑ってやがる
クッ これも天然のせいかッ

「なんでって言われても、ねえ?」
「ええ 帝統ですから」
「帝統だもんね」
「「「ねー」」」

乱数 幻太郎 恭と続いて
全員顔を見合わせて笑ってやがる…
なんだ なんでこうなるんだ!!

大体、
「なんでそんな馴染んでんだよ!?!?
ほぼ初対面だよな〜!?」
「会った回数は関係ないんじゃないかなぁ?」
「そうですよ帝統」
「そうだよ帝統」
「「「ねー!!」」」

ああ
あああもう こいつらに突っ込むの疲れる…!!!







結局この日
二人は夜までいて
ちゃっかり晩飯食べてかえっていった。

次来るときは
事前に連絡くれよな と念を押したので
不意打ちをくらうことは もうない…
と思いたい

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