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▼ 25.なんで?なんて分からない

ある日の休み時間、いつも通りに
いつメンと集まってだべっていると
好みの女の子の話になった。
「お前どんなのが好み?」
「俺は巨乳一択!」
「乳重視かよ えーじゃあ恭は?
胸?尻派?」
「それもう趣旨変わってねえ?」
呆れながら返すとそうか?と首を傾げる
ダチはさておき、好みねえ。

机に頬杖を付きながら考える。
昔なら直球に可愛い子って答えてたけど
今はそういう気分じゃねーっつーか。
最近のことを思い出しながら口を開く
「綺麗な奴がいい」
「あん?お前綺麗めより可愛い派
じゃなかったのかよ〜?」
「うるせ。変わる事もあんだろ」
そう言いながら窓の方を眺めては
言葉を続けていく。

「…綺麗で 唇が柔らかくて
すげーいいやつで」
避けられてるかと思えばそうではなく。
「俺のルーズなとこにちゃんと怒ってくれるし
ほんで話が止まらねえ奴、」
頭に思い浮かべたのは゛あいつ゛だった。
何でだろうな、本当にあいつ…山田と
いる時が楽しくて仕方ない。
「……なぁ、お前誰のはなししてるんだ?」
「さぁな」
まさか最近一番仲がいいやつなんて
言えるわけもねー。適当に流そうとしたら
何を思ったのか食い下がられてしまった。
めんどくせえ。

「そこまで具体的ってことは
もうヤっちまったのか?つーか
付き合ってんじゃないのか?!
少なくともちゅーしたんだろ?!」
「あぁもう煩い煩い、あと顔近い、
でけー声でヤったとかお下品な事
言うんじゃねーよ」
「お前も前まで言ってたろうが?!
それに品性とか語れた口かよヤリチンが…」
別に俺はでかい声で話した事はねーよ、
って返そうとした時 聞き慣れた声が
聞こえて思わず振り返る。

そこには別のダチとだべってる
山田がいて 俺もあいつと話したい、
って欲求が沸いてくる。なんだこれ。
俺 山田のことそんなに好きだったのか?
ダチと話したくてウズウズするなんて
こんなのいつぶりだ?分かんねーけど。

目の前で喋ってくれてるダチよりも
俺はずっと山田のことが気になって
昼休みは話しに行こうと決意をした。

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