くくり奇譚 | ナノ

A strange world

さよならの魔法
朝焼けが微笑む頃に会いに来て
「冗談じゃないわ、笑えないのよ」
だって本当にさっきまで
ひたひた近づく足音のように
甘く微笑む淫らな悪魔
星屑を散りばめたショートケーキ
狙いを定めて逸らさずに
真っ直ぐ射ぬいて
暗闇に光る貴方の瞳

くくり奇譚
山奥の巫女
昨日の彼をだれが見つけた
誰にも話してはいけない話
妖女の恋物語
寂しがりの妖
吉原太夫伝承
月を蝕む獣
お札を握りしめて
七つの子まではうまいから

滴るしずくのその色は
屋根裏の視線
かえれない時間
逢魔が時の影
君は一体誰だっけ
誰も知らない物語
一人多くて二人少ない
猫と少年
井戸に身を投げた少女
少年と悪魔祓い

幽霊屋敷の真相は
信じるまでは地獄絵図
断頭台の姫君
仮面で過ごす22年
見えざる者との境界線
寺小屋の囚人
教会のステンドグラス
午前三時の音楽室
オオカミ少女
繰り返し同じ日を送る君に告ぐ

祭壇の九十九神
顕現せし鬼神
黒鳥居の怪
その調を聴いてはならない
廃遊園地奇譚
海底の聲
いつつたりない
這い寄る一週間
ひとつ影が多いとき
階段横の幽霊

「こんな道、あったっけ」
一人多い
二手道の地蔵
午前二時の魔物
逢魔時に増える影
時間は戻らないはずだった
奇妙な廃屋
もう一回もう三回
人ならざる者に会う時間
十番目の人生

残ったものは何もない
それでもまだね、足りないの
あたしの片割れ
十分ではないでしょう?
どこに行ったの、アナスターシャ
あなただけは捨てないでいて
焔が全てを焼き尽くすまで
大嫌いはいなくなった
二体の死体と五本の腕
白いキャンパスを染める黒

隙間から覗く
暗闇に光るもの
影が多いとき
電子の世界
裏切りの足音
恋愛以上ストーカー未満
最果てからの贈り物
私情死情
透き間
まだ遠い道

その名を語り継ぐべからず
狼紳士
ゆめとうつつの境界線
だって、まだ、死んでない
ちゃんといい子にしていてね
呼び出してはならぬもの
君が死ぬまでの30日
生きていつか会えるまで
鏡越しに伝わる温度
僕ら一緒に死んだって

消えない傷跡を遺してよ
この思いが死んだなら
やり直したいこの世界
夢を見させて、幸せを
絶対なんて絶対ない
曲がり角の亡霊
深療所 (しんりょうじょ)
救える気がした、今だけは
もう一度だけ僕に下さい
お仕舞いに願う

100物語はこれにて終了

百題あるはずです
(カッコ)の中は読み方なのでお題として使わなくて大丈夫です
使っても問題ありませんが、使えますかね……?

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