Request | ナノ

青い、宇宙


宇宙に色がついた日
貴方の色には染まらない
壮大になんてなれない
蟠りすら忘れてしまう
どうか私を連れ去って
天高くお空から見守って
青い宇宙に掬ってほしい
お腹いっぱいにはなれないの

Blau,Universum/青い、宇宙

深夜と読書


「教えてあげる、わたしのひみつ」
泣きたいばかりの深夜二時
古びた文書が救いの一手
わたしが絵本の主人公
貴方の愛した夢物語
膝を抱えた午前三時
涙を流すための絵本
誰も知らない物語
「もったいないでしょ?ヒーローじゃ」

Late night and reading/深夜と読書

世界で一番おいしい色


恋するフランボアーズ
薄紅色の約束
幸せなキューリー
ジャンシャーヌに溺れる
オランジュ・ルーシーを忘れないで
イリディセントじゃつまらない

The most delicious color in the world/世界で一番おいしい色
-Omake-
フランボワーズ:#DF0287
薄紅色:#f0908d
キューリー:#B5A3D0
ジャンシャーヌ:#4252A4
オランジュ・ルーシー:#E47432
イリディセント:シャボン玉の光を反射したときの色

禁断、愛


なんと奇しくも燃え上がる
大丈夫の一言が欲しいだけ
愛してるなんて言わないわ
同じ布団で眠る意味
過ちに囚われないで
並んでは歩けない
レディには秘密
禁忌の扉

Forbidden love/禁断の愛

探し物


眩い瞳
氷の小瓶
海のしずく
甘い写真
失われた楽園
あの子のかけら
サンクチュアリ
罅割れたカップ
嗅ぎ慣れた匂い
お揃いの羽根ペン
君のいる日常

探し物は……/What I'm looking for is...

冬の朝


ペチカに灯す焔
海でさえも凍り付く
寒さに震える午前6時
雪はまだ降らないのね
教会までは歩いて行って
手袋をしても暖まれないわ
おててつないでかえりましょ
吐く息がこんなに白いだなんて
違うの。布団が放してくれないの

Wintermorgen/冬の朝

泡沫


泡沫の夢物語
はじけてきえる
あぁ、なんて悲劇的
いづれ消えゆく恋心
どうしてもが言えないの
もう一度だけも望めない
君はここにはいないから
いっそ二人で消えてしまおう
それでもまだまだ足りないわ
夢か幻かもわからぬのです。何にせよ現ではないのでしょうな

Bubble bubble/はじける泡(あぶく)

カツミレ


聖なる魂
捧げる花束
可憐に咲いて
傍に居ましょう
ここが腕の魅せ所
僅かばかりの私たち
だからあなたは美しい
脇役でだってかまわない
私であなたを治してあげる
安心してほら、お眠りなさい
踏まれるほど強く育つカツミレ(カモミール)。民間療法でもお薬に使われてきた花。花言葉は「逆境に耐える」「苦難の中の力」

青空


それはどこまでも果てしなく
目に染みるほど憎たらしい
ただのお空が欲しかった
真白い雲が良く映える
空はいつでも平等さ
見上げてごらん
天高く昇れ

голубое небо/青空

牛若丸と弁慶


二人だけでさ生きてみようか
千本目までは辿り着けない
貴方にはきっと敵わない
笛の音色が心を焦がす
在りし日のふたり
欄干での決着戦
素敵な主従
扇と薙刀

あやかし


憑いて行っては、逝けないよ
恋をしてもいいのだろうか
化かしあいはできれども
最期の涙を見せるまで
ずっと仕舞って大切に
化かしあいの恋心
目には見えない
狐火に宿る

微睡みと春


心地の良い木漏れ日
ある読書日和の頃
ゆるりと微笑む
麗らかな午後
悠然とした
書出し
心地よい麗らかな日和の中、僕は遠い過去の中にいた。
きっと春が近いからこんなにも恋しくなるのだろう。
ぼーっとした彼を見かけるのは今日でもう三回目のことだった。
それは心地の良い、とある春の日のことでした。
こんな優しい日なら、春もきらいではない。

夕焼け帰り道にあなたへ伝えたかった言葉


せりふ
「ねぇ、あなたは影がないのね」
「なかないで。また、あえるから」
「このことだけは二人の秘密」
書出し
じゃあ、また明日。そう言って夕焼けに溶ける彼の背中を黙って見送った。
本当は愛していました。涙に掠れて何も見えない。言葉はもう届かないのだから。

酸いも甘いも恋のうち


あの日のことが僕らを形成する
甘いだけでは生きていけない
きゅっと苦しくなるような
あの日の笑顔が宝物
経験豊かな君に告ぐ
「なれないことはするもんじゃないね」

Посмотри на меня


来世すらも期待はできない
逆さ吊りのサーカス
掠め取るなら最期まで
満足に奪ってよ
流す涙は蜂蜜の色
不幸ばかりで可愛そう
そしてやがては死に至る
零れ落ちるばかりの物ではありますが
愛していたのは、私だけ
星空の元朽ちて逝くのです
壊すのもなど元から無いさ
見下ろす街の、美しいこと
心ばかりが寒くなるので
振り向かないで冥王星
せめて最期は、貴方の腕で
「砂糖菓子ほどの愛情にもありつけないなんて、この世はなんて不公平なのかしら」
「いっそ私すら無ければ楽なのに」

優しい光も夢幻
姿すらも映らない
御伽噺は通用しない
零す欠片も無いのです
僕だけの月が欲しかった
望むことすら阿保らしい
絶望の果て追い抜く暗影
「僕だけが僕の味方だからさ」
「そうすれば傷つかなくて済むから」
Посмотри на меня./Look at me.
何にも恵まれなかった、愛されなかった少女と少年お題。リクエストありがとうございました

steampunk


その歯車に狂いが生じるとき
革新技術の要
錆び付く心臓
蒸気機関でどこまでも
その嘴はどこを見るのか

「なぁ、そこのゴーグル取ってくれ!船を修理するんだ」
「また壊したの?早く飛ばせるようになってよね」

やさしいだけの魔法


僕が救ってみせましょう
もう涙はいらないよ
淡く心に融け込む光
甘くとろけるキスのような
紅茶に砂糖を転がして
どうしても僕が好きだって
君を困らせてしまわないように
記憶を封じて手紙に託す

Let me save you/僕が救ってみせましょう

名もなき空白


青にも白にもなれなくて
落書きだけではだめですか
まだ僕らは大人になれない
吐息だけが僕を窘める
その隙間は埋まらない






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