空の向こうへ投げた花束
いつか君に届きますように
突き放すのなら湖の底まで
いつか昔の君に逢いに行く

追い詰められた百合の花
世界でひとり、僕を見て
お揃いだったネックレス
君がいなきゃだめなんだ
ひとりぼっちは嫌いだろ
透明な君が僕を見つめる

示し合わせた口付け
清廉潔白な悪魔の瞳
黒よりも深い海の底
何色にも染まれない

紛れもなくそれは純愛
宝箱に眠るは君の心臓
心の底から僕を愛して

夏の宝物を僕にちょうだい
愛しい愛しい君は太陽
君はとてもずるい人
夜明け前の流れ星

全ては僕の腹の中
酷い夢だと罵った
沈んだ世界に花束を
灰色の景色にキスをして

あなたのいない帰り道
ひまわり畑と入道雲
蝉の声も今は悲しい
カランと鳴ったラムネの瓶

君だけが僕の全てじゃない

まだ何も知らない夏の日
終わりはそして影になる
お揃いのナイフを持って
踏切りへと飛び込む足音

僕だけを見ていて
その檻は狭いだろ
忘れられた紫陽花
広い空へ昇る風船

優しい海に溺れたい
まだ星が瞬く頃に

明日まではきみが神様
薬指には優しい指輪を
百合の香りと夕焼け雲
夢とお砂糖で出来た人

夏の終わりを告げる足音