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バニーの日


 仕事だと言われてテスカトリポカに渡されたのはバニー衣装で、私は思わず衣装とテスカトリポカを交互に見つめてしまう。何の説明もなく渡されても困るんだけど……!


「今日はバニーの日だ。オマエさんに可愛いうさぎになってもらおうと思ってな」

「で、でも、これ、恥ずかしいよ……! 着方もよくわからないし……」

「ならオレが着せてやろう。服を脱げ」


 最初にテスカトリポカは仕事だと言った。ならば私に拒否権はない。震える手で服を脱ぎ下着姿になれば、下着も履き替えなければならないらしく渡されていたヌーブラとTバックに下着を変更した。……確かに、バニーの衣装ならお尻も出ているし背中もかなり開いているから、ブラジャーだったら見えちゃうもんね。
 次はベージュのストッキングを履いてその上に網タイツを履くらしい。網タイツってそのまま履くんじゃないんだって少し驚いちゃった。でも確かにこれにそのまま足を通すの難しそうだもんね。


「バニースーツだがすこし生地が固い。気を付けて着ろよ。後ろのチャックはオレが上げてやる」

「うん……」


 ストッキングや網タイツを傷つけないように慎重にバニースーツを着る。伸縮性のない生地の為確かに上まで上げるのに苦労した。テスカトリポカが後ろのチャックを上げてくれたのだが、胸元が少しおかしいのでお肉の位置を調整する。胸の下にボーンが入っていて胸に安定感が出るし、その分胸が持ち上げられて谷間ができている……!


「テスカトリポカ、谷間ができてる……!」

「そりゃそうだ。オマエの胸は前に比べても大きくなったからな」


 ふに、と胸をつつかれて私は頬を染める。テスカトリポカの言っていることは事実だし、大きくなったのはテスカトリポカが私の胸をたくさん揉んでいるからだ。
 ふわふわの丸い尻尾と長い耳の付いたカチューシャをそれぞれ付けたら、バニーガールの完成だ。少しだけ高い黒いヒールを履いてテスカトリポカを見上げれば、無言で何かを服の間に挟まれる。


「こういうセクシーな衣装も似合うな。褒美だ、受け取っておけ」

「え、これお金だ!?」

「おひねりって言うんだったか? 最近お菓子を販売しているようだしな。それ用にでも使え」

「あ、ありがとう……」


 これがお給料ってことなのかな……?と私はありがたく受け取ることにした。――のだけど。こう、きわどい所にお札を挟んでくるから恥ずかしくてたまらない。テスカトリポカはそんな私を満面の笑みで見つめているし、絶対にわかってやってるよ……!


「もう着替えちゃだめ……?」

「だめに決まってるだろ。オレはまだまだオマエの愛らしさを堪能したいんでな」


 そう言って私にキスしてくるテスカトリポカから逃れられるはずもなく、たくさんのおひねりと引き換えにちょっとえっちなこともさせられたのでした……。
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