チーム対抗戦実習



俺達が通う討伐団養成学院は、当たり前のことだけど討伐の為に戦闘力を極める講義を重視している。
で、魔物と戦う実戦演習もあるけど、やっぱりそれは危険が大きいから俺達在籍2年目チームなんて時々しか演習がない。でも戦いは習うより慣れろだ。

じゃあ、どうやって戦闘に慣れるかと言うと。


「今回の対戦相手は…納豆、食べたい……?…以前見たときは、ドリアンだったような…」
「本当に変わり者の集まりですわね、このチーム」
「レティに言われたら終わりだな」
「なんですって!?」
「一々喧嘩すんな!」

チーム対抗戦実習がある。

ちなみにこの実習、対戦相手は同じ時間に実習を入れている学院内全チームからランダムで選ばれる。だから時々、卒業試験資格を2人持っているベテランチーム対入学したばかりのチームなんてえげつないことになってたりする。
教授曰く、「自分と同じレベルの魔物ばかりに当たる訳がない」かららしい。

しかも、これは本当に時々だけど、教授達がチーム編成して対戦してきたり、卒業生が遊びに来たとき教授に誘われて参加していたりなんてこともある。
当たったときは面白いからいいけど、正直ふざけんなとも言える。

そういう時は単位が中々稼げないからな!

「そういやここのチーム、全員知ってるけど戦ったことはなかったなぁ」
「そうですわね…フィオナ、予想は何かありますの?」
「詳しくは…わからないが。…片桐遼征以外は遠距離型だ。だから、恐らく、神埼拓と真緒は単独で、…サポート役の叶野琴音と片桐遼征がペアを組むオーダー……。だと…」
「よっし、ならその予想でいいじゃねぇか!」
「あっ淳史…!止めてくれ……っ。私などの、安易な予想だけで決めるなど…!」
「ああ!もう!毎回毎回同じこと言わせんなよフィオナ!」
「そうですわ!いつもフィオナの予想は的中しているのだから!」
「し、しかし…」
「那智もレティも同意してんだからいいんだよ。な」
「う……っ、わ、分かった…」

まだ少し不服というか、自分の意見だけの決定に納得行っていないフィオナは、毎回のことだからさておき。
今度はこっちのオーダーについて決めることにした。

対抗戦では、1人対1人の単独バトルが2回と2人対2人のペアバトルが1回の計三回戦う。その試合のオーダーは対抗戦がある毎に変えることが出来る。
ちなみに単独→ペア→単独の順に試合が進む。欠員がいる場合は誰かが二回連続か、ペアのところも一人で出るとかあるらしい。欠員がいるチームは大体強いから問題ないらしいけど、俺達は当たったことがないからまだどうなのかよく分かってない。

ルールは制限時間10分以内に、相手を戦闘不能にすること。ペア対決なら片方がダウンしてしまった時点で負け。殺してしまった場合当然即退学。制限時間以内に終わらなかったら引き分けになっている。
単位は勿論勝敗で大きく影響がでるけど、戦い方とか色々と見るためもあるから勝ち負けが全てじゃない。試合に勝っても成績は負けるチームとかいる。

「んー、やっぱペアは淳史と援護でフィオナがいいか?」
「そうですわね…淳史が能力実力の判定もらえませんがフィオナがカバーすれば…」
「……悪いな、能力出てないから…」
「だっ、大丈夫だ、淳史…!必ず、いつか、開化する…!」
「こんっのばっかレティ!!何でもかんでも口に言うなっつってんだろ!!」
「う、うぅ…っ」

フィオナを慰め終わったかと思えば今度はレティのせいで淳史かよ!!くっそ!大丈夫かよ今から対抗戦あんのに!


Are you ready ?


(あ、また仲間割れか?)(これならボク等の勝ちけってーい!じゃない?)(あんな奴等に拓さんが負けるわけねぇだろ馬鹿か!!)(が、頑張らなきゃ…!)

続くよ!

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