ムラサキカガミ。
貴方は聞いたことがあるかしら。

……ない?そう、幸せなのね。
先輩方は……勿論御存知のようね。
軽くだけど説明しておきましょう。

ムラサキカガミというのは所謂都市伝説と呼ばれるもののひとつ。
話の内容はとても単純よ。
「ムラサキカガミという言葉を20歳まで覚えていると不幸になる」
不幸になる、の部分は色々あってね。
結婚出来ない、だとか……鏡の破片が全身に刺さって死ぬ、なんていうのもあったわね。

…………いやね、そんなに睨まないで頂戴。
二十歳前の自分にそんな話をするなんて?さらにそれを新聞に載せさせるなんて?
……氷室くんの言うことももっともだけれど……貴方もしかして信じているのかしら?
ふふふ、案外素直なのね。

ムラサキカガミ……紫の鏡、と言い換えることもあるわね。
紫の鏡と言われて貴方はどんなものを想像するかしら。
鏡の淵、フレームの部分が紫色なのか。
それとも鏡面そのものが紫色なのかしら。
そもそも鏡面が紫色だなんて、鏡として機能するのかしら……なんて、思わないこと?

思わない?
……貴方、聞き下手なのね。
そういう時はね、興味が無くってもあるように見せなくっちゃいけないでしょう?
それとも……あれかしら、貴方は想像力を働かせるのが苦手なの?
わからない問題にぶち当たるとすぐ答えを見ようとしてしまうタイプ?

話が脇に逸れてしまったわね、私は紫の鏡について話していたのだわ。
私は紫色の鏡の実物を見る機会を得たの。
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