ODA舞台設定

〈歴史背景〉
電子マネーが一般化し、多くの物体がアナログ媒体からデジタル媒体へと変化して、挙げ句の果てには空中都市が完成するような近未来。
科学の力によって支えられた社会であっても、超常現象とよばれる、不可解な能力・事象に合理的な説明を加えることはできなかった。そして人々はいつしか、説明することをあきらめ、超常現象の存在をただ否定するようになる。
魔術・神霊・超能力に関する情報は国家によって厳しく規制されており、それらの存在を少しでも仄めかせるような発言は禁じられ、書物・研究家など、そしてなにより超常現象そのものが一般市民からできるだけ遠ざけられたのだった。
隔離政策は国家の思惑通りに進み、数十年後もたつと『超常現象は存在してはいけない存在するもの』という認識が市民の常識となった。
科学主義は最盛期を迎え、その裏では絶えず超常現象に関わる者……『異端者』の隔離・弾圧、場合によっては処刑が行われていた。

しかし国家には超常現象以外にもう一つ懸念があった。青少年の人口が激しく減少していたのである。
超常現象を信じる者は一般的にはいなくなったものの、能力を持った子供は依然として生まれ続け、皮肉なことに、その割合はわずかだが上昇していた。このまま異端者を殺害し続けると、人口は減り、ついには国家そのものの存続が危ぶまれる。そうして多くの協議の結果、国家技術の粋を尽くして作られたのが『地下学園都市』なのである。


〈学園都市概要〉
学園にいるのは高校三年生に当たる18歳までの異端者の子供。それぞれの年齢に応じて初等科・中等科・高等科に分けられる。

中等科からは進級テストが課せられ、学力や精神状態などの基準をパスした者のみが進級できるシステムになっている。特に精神・思想に関してのテスト基準は厳しく、卒業はおろか、高等科の3年次まで進むことができる者もそう多くは無い。
都市全体は四つの地区と中央の塔で構成されており、 高架を走る環状の鉄道路線と無数の路面電車・バスが公共交通機関として提供されている。

能力の程度や身体・精神の状況によってそれぞれの地区にある学校へ割り振られ、生徒たちは基本的にその地区の中で暮らすことになる。地区の移動には特に制限はないが転校には煩雑な手続きと多くの検査が伴う。

生徒一人一人には携帯端末が与えられ、電話やメール、金銭の管理や身分証明などを行うことができる。端末によって生徒の位置を把握するため、生徒は必ずこの端末を携行しなくてはならない。

また生徒が一人で行動することは原則禁じられており、許可書を持たずに単独行動をしたことが知られると厳重に罰せられる。異端者同士が非公認の集会等を開くことも同様に禁じられる。

授業は定められた必修登校授業以外は任意受講となっており、主に定期的なレポート提出によって単位認定が行われる。
学業よりも地上で一般市民として生活するための能力を養うことに教育の重点が置かれているので、中等部以上の生徒は職業に就くことが推奨される。



- 1/2 >>
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -