女の恋話は止まれない止まらない
※戦闘狂夢主
※銀魂2の要素・ネタあり。勢いだけでお読みください

鬼兵隊に入ったばかりの頃はよく来島に面倒をかけてしまっていた。年下だけど頼れる先輩で、紅一点だった来島がわたしを受け入れてくれてよかったと思うし、女同士だからこそ理解し合える点が多くあった。だから今では四方山話に花が咲くようにもなった。

工作活動のないときは張り詰めた緊張感からある程度解放される。2人してのんびり腰を下ろして来島は愛用の二丁拳銃を、わたしは槍の手入れをしている。女という生き物は話すことでストレス発散をするらしいから、この時間は息抜きであり癒しだ。

「小夜はここに慣れるの早かったっスね。順応性の高さは大事っス」

「なんか居心地良いよ。不思議なもんでみんなどこか優しい気がする」

「見慣れない女だからっス。もうしばらくすりゃチヤホヤされなくなって悲しい思いをするっス」

「そういうもんかな」

「そうっス」

「そんなエッチな格好してるのにチヤホヤなし?」

「そうっス!慣れってやつは怖いんですよ!」

露出度の高い服装の若い子がそばにいても何も反応しないということ?下心の一つや二つあるのが男ってやつでは?最近の攘夷志士たちは性欲より優先することがあるのか?わたしは欲望塗れだけどなぁ。

「そっかー。最近さ、河上のことを四六時中考えしまうんだよね」

「はああああ?!?!今なんて?!万斉先輩?!」

「えっそんなに驚くところ?」

「順当といえば順当だけど!!言うのが唐突すぎるっス!」

手に持っていた銃の部品がガチャンと大きな音を立てて転がり落ちた。そんな扱いで大丈夫なのかと心配なところだけど肩を掴まれてしまって、それについてはどうでもよいこととした。

「恋するのに理由は必要ないし来島には打ち明けておこうと思って」

「アンタはJKか!?」

「この間バイクで2ケツしたんだけど興奮しすぎて何も覚えてない」

「青春かよおおお!!言っときますけどこれ3Zじゃないっスよ!!」

「来島、もし高杉と2ケツできたとしたら嬉しすぎて爆発しない?気持ちとか脳内がドカーンとならない?」

ジタバタともんどりうって可愛い声で悶えている来島は面白い。桃色に染まった頬を両の手で覆うように隠してるけど耳まで色づいてるので丸見えだ。

「それはなる!絶対なるやつっス!気持ちが痛いほどわかるっス!想像しただけてにやけてキャー!ってなる!!」

「でしょ?そうでしょ?」

「でも待ってください小夜!南京錠ネックレスっスよ?!今時の中二病者でもあんなもんつけないっス!!」

「惚れた弱みだと思う。それすらカッコよく見える」

「それとんでもなく重症っス!!惚れた腫れたは構わないけど万斉先輩の美的センスを許容する点については目を覚ましてくださいっス!!」

「ロングコートが切り返しになってるところとかかなりセンスいいと思うけど。あとゴツい指輪もよい、とてもよい」

「いや南京錠ネックレスが突き抜けて中二病でやばいっスよ…なんでそこスルーなんスか…」

「あと赤縁のサングラスいい。あれ越しに目が合うと胸が苦しくなるんだよね…ていうか目が合ってるともう苦しい…なんだろね…河上って背高いからどう足掻いても下から見上げることになるんだけどこう、顎のラインから喉仏にかけての流れるフォルム最高…もちろんそこだけじゃなくてさ…はぁ…尊い…全部尊い…やば…好き…」

「小夜、さっきから唐突に語彙力が死んできてるっス…ていうか耳まで真っ赤っス…」

河上を思い出して胸が苦しくなる。今度はわたしが顔を覆って蹲る番だった。


20181013
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