1/8
※腹黒彼女

Q.花宮は何が欲しいと思いますか?

山崎は、きょとんとしてこっちを見上げた。

「え、俺に聞くの?」

「別に聞きたくて聞いてる訳じゃないから。仕方なく、ってことを忘れんな」

「辛口というか辛辣だよなお前…上から目線っつーか…」

「少なくともアンタの前じゃこれが普通でしょ」

「言いたくないけど…最近の掛川、花宮と似てきてるよな」

「じゃあ言うなよ。蹴るぞ」

「すんませんでした」

床を足で踏みつけて派手な音を出すと「やべえマジ怖ぇよ」と怯える。本当に蹴ろうなんてこれっぽっちも考えてないけどね。威嚇だからな。

「…で、なんだっけ」

「花宮が欲しがりそうな物を教えて」

「欲しがりそうなものなあ…」

「若しくは、好きそうなもの」

私よりもこいつ(やバスケ部のメンバー)の方が花宮の嗜好を深く知っているだろう。山崎はしばらくうーんと唸って黙り込んでいたけど、顔を上げた。

「えー…チョコ?カカオ100%のやつあげれば良いんじゃね?いつも食ってるだろ」

そんなこと言われなくても知ってるけど。いつも食ってるんだから尚更だろうに。常備食をくれてやって何になる。なんていうか、こいつ、抜けてるのかな。それとも本物の馬鹿なのかな。

「山崎ってさ…本当使えないよね」

「酷っ!折角考えてやったのにそれはねえだろ!」

「はいはい、どうもどうも」

「それが人に礼を言う態度かよ!」

「素晴らしい意見を拝聴出来ました。参考にさせて頂きます。心より感謝申し上げます。これで満足か」

「掛川、てめ!」

「時は金なりとはまさしくこのことだわ。溝に金を捨てた代償はでかいな」

「おいこらあ!」


花宮の誕生日まであと四日


「…俺にもなんかくれよ」
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -